検索窓
今日:8 hit、昨日:15 hit、合計:55,511 hit

第40話 蒼空とお墓 ページ41

着いたのは、お墓だった。

お墓には綺麗な花が供えられていた。
・・・何故だかそれが、寂しかった。


国木田「いずれ、話そうと思っていたんだ。お前には、知ってもらいたくてな」

『・・・今更云うのもなんですが・・・辛いなら、話さなくても・・・』

国木田「いや、話す。聞いてくれるか?」


その言葉に、こくりと頷く。

国木田さんはそれを見ると、ゆっくり語り始めた・・・・・・。





国木田「_________という事があったんだ」

『・・・うぅ、うぐっ・・・ひっく・・・あっ・・・』

国木田「・・・なんでお前が泣いているんだ」


話し終わった国木田さんが、呆れたように云った。


『だって、誰も、死ぬ必要なんて無かった・・・!皆、生きても良かった筈なのに・・・!』

国木田「・・・ああ、でも・・・仕方の無い事、だったんだ」

『でも・・・』


一度でも良い。

二人に会ってみたかった。
二人にだって、幸せになる権利くらいあった筈なのに・・・。


国木田「泣くな。・・・ほら」


国木田さんがハンカチを差し出してくれる。
私はそれを受け取ると、涙を拭いた。


『ごめんなさい。辛い話・・・させちゃって』

国木田「いい。俺が決めた事だ」

『・・・どうして、話してくれたんですか?』


腫れぼったい目を擦り、国木田さんに訊いた。

涙が堪えきれない程辛い事を、なんで私にわざわざ・・・。


国木田「・・・自分でも分からないが・・・。お前になら、話しても良いかと思ったんだ」

『・・・なんですか、それ。・・・・・・でも、ありがとうございます。私、絶対に忘れませんから』

国木田「ああ、忘れないでくれ」


そう云って国木田さんは、また私の頭を撫でた。


国木田「戻るぞ。予定が大幅にずれている」

『・・・はい・・・!』


国木田さんに、出来る限りの笑みで応える。

見上げた空は、蒼かった。

第41話 元気と塩辛マフィン→←第39話 佐々城女史と六蔵少年



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅羽(プロフ) - 続編fightだ! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 5947bb1147 (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - きのこまるさん» 期待してます。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)
きのこまる(プロフ) - 黒バイさん» 自分勝手で申し訳ありません・・・!もう少しお付き合いください・・・。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c031244509 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - 続編…!?楽しみにしています! (2018年8月24日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - ちょ、え、待って、え、完結??おめでとう!え、ちょ、待って、ああああ (2018年8月23日 22時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きのこまる | 作成日時:2018年7月27日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。