第40話 蒼空とお墓 ページ41
着いたのは、お墓だった。
お墓には綺麗な花が供えられていた。
・・・何故だかそれが、寂しかった。
国木田「いずれ、話そうと思っていたんだ。お前には、知ってもらいたくてな」
『・・・今更云うのもなんですが・・・辛いなら、話さなくても・・・』
国木田「いや、話す。聞いてくれるか?」
その言葉に、こくりと頷く。
国木田さんはそれを見ると、ゆっくり語り始めた・・・・・・。
国木田「_________という事があったんだ」
『・・・うぅ、うぐっ・・・ひっく・・・あっ・・・』
国木田「・・・なんでお前が泣いているんだ」
話し終わった国木田さんが、呆れたように云った。
『だって、誰も、死ぬ必要なんて無かった・・・!皆、生きても良かった筈なのに・・・!』
国木田「・・・ああ、でも・・・仕方の無い事、だったんだ」
『でも・・・』
一度でも良い。
二人に会ってみたかった。
二人にだって、幸せになる権利くらいあった筈なのに・・・。
国木田「泣くな。・・・ほら」
国木田さんがハンカチを差し出してくれる。
私はそれを受け取ると、涙を拭いた。
『ごめんなさい。辛い話・・・させちゃって』
国木田「いい。俺が決めた事だ」
『・・・どうして、話してくれたんですか?』
腫れぼったい目を擦り、国木田さんに訊いた。
涙が堪えきれない程辛い事を、なんで私にわざわざ・・・。
国木田「・・・自分でも分からないが・・・。お前になら、話しても良いかと思ったんだ」
『・・・なんですか、それ。・・・・・・でも、ありがとうございます。私、絶対に忘れませんから』
国木田「ああ、忘れないでくれ」
そう云って国木田さんは、また私の頭を撫でた。
国木田「戻るぞ。予定が大幅にずれている」
『・・・はい・・・!』
国木田さんに、出来る限りの笑みで応える。
見上げた空は、蒼かった。
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紅羽(プロフ) - 続編fightだ! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 5947bb1147 (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - きのこまるさん» 期待してます。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)
きのこまる(プロフ) - 黒バイさん» 自分勝手で申し訳ありません・・・!もう少しお付き合いください・・・。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c031244509 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - 続編…!?楽しみにしています! (2018年8月24日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - ちょ、え、待って、え、完結??おめでとう!え、ちょ、待って、ああああ (2018年8月23日 22時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこまる | 作成日時:2018年7月27日 20時