【国木田独歩】理想とは程遠い恋【文スト】

第30話 作戦会議と始動 ページ31

『･･･という事があってですね･･･』

太宰「･･･なんだ、そんな事？」

『そんな事って･･･』


太宰さんからすれば軽い事かもしれないけど、私にとってはそうではない。

本人にさりげなく「お前は理想から遠い」と云われたようなものだ。
それで落ち込まずにいられる訳ない。


太宰「国木田君の理想にぴったり当てはまる人なんていないよ」

『それは、分かってます。でも、私は国木田さんの理想から程遠いんだなあ、って思って･･･』


しかも、少女とたった一項差なのだ。
自信を無くすのも仕方無いと思う。


太宰「･･･それで、Aちゃんは諦めるの？」

『そんな訳ないです！諦めるなんて、絶対に厭です！』


国木田さんを諦める？

つまり、好きじゃなくなるという事だ。
･･･そんなの、無理に決まってる。

私はあの人の為に危険な目に遭ったのだから。


太宰「じゃ、決まりだね」

『･･･決まり？』


目の前の太宰さんは、ふふふと不敵な笑みを浮かべている。

･･･何させる気だ、この人･･･！


太宰「心を掴むには先ず胃袋から掴む！･･･という訳で、Aちゃんは国木田君に料理を作る事！」

『･･･はい？』


_____手料理で振り向かせよう大作戦、始動･･･？

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