【国木田独歩】理想とは程遠い恋【文スト】

第27話 大切な後輩と手帳 ページ28

太宰「さて、では、次の質問だ」

『つ、次って･･･まだあるんですか？』

太宰「うん。だって訊きたい事が沢山あるからね」


私はもう自分の気持ちに気づいただけで沢山なのに･･･。

でも、太宰さんが私の気持ちを教えてくれたのも事実だ。
仕方無い、出来る限りの事は答えよう･･･。


太宰「じゃあ、二つ目。･･･国木田君は、君の事をどう思っていると思う？」

『こ、今度は国木田さんがですか･･･？』


国木田さんの気持ちなんて、私の気持ちよりも分かりずらい･･･。
･･･私を助けた理由だって、自分の理想の為だしなあ･･･。


『･･･あ。そういえば私、前に国木田さんに云われたんでした』

太宰「国木田君に？」


確か、あの時に国木田さんは私の事を･･･。


『大切な･･････後輩だと、云っていました』

太宰「･･････残念だけど、正解」


そうだ。

あの人にとって私は「大切な後輩」でしかない。
そこに特別な感情なんて、一切無いのだ。


太宰「でも、そこで終わる訳じゃあ無い。三つ目の質問だ」

『･･･三つ目ですか？』

太宰「そう。じゃ、質問。そんな国木田君を振り向かせるには、どうしたらいいでしょう？」


･･･国木田さんを振り向かせるにはって･･･。

あるのか、そんな方法。


太宰「･･･という訳で、はいこれ」

『え、何ですか、これ』


手帳？
･･･でもこれ、確か国木田さんの･･･。


太宰「そこに、国木田君の将来の配偶者計画が書いてある。それを読んでみればいい」

『はあ･･･分かりました』

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