【国木田独歩】理想とは程遠い恋【文スト】

第2話 残業と溜息 ページ3

『･･･終わらない』


目の前の山積みになっている資料を見て、溜息を吐いた。

時刻はもう九時を回っている。
今日中に終わるのか、これ。


国木田「A、まだ終わらないのか？」

『･･･国木田さん･･･。ごめんなさい、まだ、です』


しょんぼりと項垂れる。

国木田さん、怒ってるんだろうなあ･･･。


『あの、その･･･。決して、サボっていたとかじゃないんです。･･･ただ･･･』


私が、不器用過ぎるだけ。

そんなの言い訳にしかなっていないけど。


国木田「･･･貸せ」

『え？で、でも･･･』


私の仕事なのに。
国木田さんに手伝ってもらうなんてそんなの駄目だ。

そう思って渡せずにいると、国木田さんは、はあ、と溜息を吐いた。


国木田「二人でやればその分早く終わるだろう。いいから、貸せ」

『････････････お願いします』


おずおずと資料を渡す。

国木田さんはそれを受け取り、作業に取り掛かった。

その後、私達は特にこれといった会話も無く･･･。
作業が終わったのは、十時頃だった。

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