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『どう?大丈夫そう?』




どうやら私は
熱中症で倒れた割には復活が早いらしく

部活が終わる前にも関わらず目が覚めた


“(人1)が早く目覚ましたら俺戻れねえから紫耀頼む!”
って健人くんに言われてん、と微笑む紫耀






『荷物は健人くんに任せて
歩けるならこのまま帰ろか』

「うん…」



ベッドから立ち上がれば
やっぱりまだ完全には治っていないから
フラフラして、まるで生まれたての子鹿。








『んー、無理そうやな』

「ちょっと難しいかも…
お母さんに電話してみる!」

『あっ、それなんやけど
健人くんがさっき今日は両親とも飲み会やって、』

「あ…そうだったかも…」

『自分の家でゆっくりした方がええし
おぶってったるわ』





「……… え?」

『だーかーらー!
おぶってったるって』

「え、いや、そんな」

『何?今更恥ずかしがってるん?( 笑 )』

「いや、そりゃ………」

『大丈夫。俺がいるんやから』





いつも何処か抜けていて頼りなくて
ヘラヘラしてるくせに

こういう時だけヤケに男の人、って感じで



ん、と差し出された大きな背中を見て
少し躊躇いながらも首に腕を回した。





『おっも!』

「し、失礼な!
降りる!降りるからしゃがんで!」

『こんなん1回しゃがんだら
もう重すぎて俺の足折れるわ』

「なんてこと言うの!」

『うーそ。
顔、見られんの嫌ならうずめとけよ。
体に負担にならないくらいのスピードは出すけど』

「…………ん、」

『じゃ〜出発!』





そう言う紫耀に、
心が癒された。







.







.






……… 紫耀の背中って
こんなに安心するものだったっけ。

首元に顔をうずめれば
大好きな香りが鼻腔を擽る。






『(人1)、こしょぐったい』

「あっ、ごめん」







『…………俺ん家、にする?』

「え?」

『家帰っても誰もおらんねやろ』

「…うん」

『いくら幼馴染みとはいえ
(人1)のお母さんおらん時にガサガサ冷蔵庫漁れへんし』





昔から、変なところで律儀なんだ。




「ふふっ、」

『えぇ?!今の笑うとこ?』

「ううん( 笑 )
紫耀は変わんないなー、って」

『…………………(人1)は変わっていってるよな』

「え?何?聞こえなかった!」

『小さい声で言ったもん』

「ねぇ!悪口ー?教えてよ」

『悪口ちゃう。ただ少し
……寂しくなっただけ。』




珍しい。
紫耀がこんなに素直に寂しい、なんて口にするのは。

何かあったのかな、
そう思って何も言わずに首に回した腕をギュッ、とした。

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れい(プロフ) - 何度も読み返すほど大好きな作品です!!更新待ってます、、、!! (2022年5月30日 18時) (レス) id: bbf3e49cee (このIDを非表示/違反報告)
miiika(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。。久しぶりに読み返しました。密かに更新まってます。。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: bda362bf51 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - めぐさん» この作品好きすぎて何度も読んでます!!!!ずっと更新されるの待ってます(;;) (2018年12月9日 21時) (レス) id: 91e5585f91 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 大好きな小説なんですが、もう更新されませんか?( ; ; ) (2018年5月19日 23時) (レス) id: ad1d0b09df (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 更新まってます( ;∀;) (2017年10月20日 0時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るりか | 作成日時:2016年12月11日 2時

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