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「じゃあ、ここだから。有難う」
『ん。ちゃんと前見るんやで』
結局教室まで紫耀に送ってもらう始末。
周りからは最早何も言われない
やっと周りも理解し始めた
私達が
“ただの”幼馴染みということを。
理解し始めたというよりも
見慣れてきたという方が正確かもしれない。
決して恋愛感情は持っていなくて
昔からの仲だから本当に仲が良いだけ、
そう思われるようになってきた。
時はときに残酷だ
.
去っていく紫耀の後ろ姿を見ながら
その大きな背中を
その私には甘ったるすぎてでも大好きな香りを
思いっきりぎゅうっと抱きしめたいな、なんて考えていたら
パッと振り向いて
こちらに小走りしてくる紫耀。
フワッと私を抱きしめると耳元で
『今日、俺ん家。すっぽかしなしやで?
寝かせへんから体育のストレッチしっかりな』
「う、煩い…!」
囁かれる紫耀の甘い言葉に
恥ずかしくてでもキュンとして
それでも顔色をなるべく変えずに返事を返す
あくまでここは、
沢山の人がいて通る廊下だから。
『じゃーね』
「うん、ばいばい」
私達がお互いの家に泊まりあいっこしているなんて
いくらただの幼馴染だとはいえ普通の事ではない。
その事は、中学で何気なしに私が
“今日は紫耀がお風呂係だよ”と発してしまった時に気がついた。
私達の関係は、
普通のようで普通じゃない。
恋人未満友達以上でもない
.
いや、やっぱり私たちは
ただの幼馴染みだ。
これ以上の、なんでもない。
.
.
『はよ』
“廉くん!おはよう”
教室に入ってしばらくすれば
女の子の歓声と共に廉が入ってくるのがわかった
廉…
あれからどうしたのかな
紫耀に付いていって廉のこと、考えていなかった。
そんなことを考えていたらいつの間にかガン見していたみたいで
私の視線を感じたのかこちらを振り向いて
逸らされるかな、って少し心配になっていたのに
私のそんな心配ですら廉は見抜いているかのように
ニヤッと、片方の口角だけを上げて
私を欺くかのように妖艶に微笑んで近づいてきた。
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れい(プロフ) - 何度も読み返すほど大好きな作品です!!更新待ってます、、、!! (2022年5月30日 18時) (レス) id: bbf3e49cee (このIDを非表示/違反報告)
miiika(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。。久しぶりに読み返しました。密かに更新まってます。。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: bda362bf51 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - めぐさん» この作品好きすぎて何度も読んでます!!!!ずっと更新されるの待ってます(;;) (2018年12月9日 21時) (レス) id: 91e5585f91 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 大好きな小説なんですが、もう更新されませんか?( ; ; ) (2018年5月19日 23時) (レス) id: ad1d0b09df (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 更新まってます( ;∀;) (2017年10月20日 0時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るりか | 作成日時:2016年12月11日 2時