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*100* ページ2

「じゃあ、ここだから。有難う」

『ん。ちゃんと前見るんやで』





結局教室まで紫耀に送ってもらう始末。




周りからは最早何も言われない
やっと周りも理解し始めた

私達が
“ただの”幼馴染みということを。



理解し始めたというよりも
見慣れてきたという方が正確かもしれない。
決して恋愛感情は持っていなくて
昔からの仲だから本当に仲が良いだけ、

そう思われるようになってきた。





時はときに残酷だ












去っていく紫耀の後ろ姿を見ながら

その大きな背中を
その私には甘ったるすぎてでも大好きな香りを




思いっきりぎゅうっと抱きしめたいな、なんて考えていたら

パッと振り向いて
こちらに小走りしてくる紫耀。





フワッと私を抱きしめると耳元で


『今日、俺ん家。すっぽかしなしやで?
寝かせへんから体育のストレッチしっかりな』

「う、煩い…!」




囁かれる紫耀の甘い言葉に
恥ずかしくてでもキュンとして
それでも顔色をなるべく変えずに返事を返す

あくまでここは、
沢山の人がいて通る廊下だから。






『じゃーね』

「うん、ばいばい」






私達がお互いの家に泊まりあいっこしているなんて
いくらただの幼馴染だとはいえ普通の事ではない。

その事は、中学で何気なしに私が
“今日は紫耀がお風呂係だよ”と発してしまった時に気がついた。



私達の関係は、
普通のようで普通じゃない。


恋人未満友達以上でもない













いや、やっぱり私たちは
ただの幼馴染みだ。




これ以上の、なんでもない。





















『はよ』

“廉くん!おはよう”




教室に入ってしばらくすれば
女の子の歓声と共に廉が入ってくるのがわかった




廉…
あれからどうしたのかな
紫耀に付いていって廉のこと、考えていなかった。


そんなことを考えていたらいつの間にかガン見していたみたいで
私の視線を感じたのかこちらを振り向いて
逸らされるかな、って少し心配になっていたのに





私のそんな心配ですら廉は見抜いているかのように
ニヤッと、片方の口角だけを上げて
私を欺くかのように妖艶に微笑んで近づいてきた。

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れい(プロフ) - 何度も読み返すほど大好きな作品です!!更新待ってます、、、!! (2022年5月30日 18時) (レス) id: bbf3e49cee (このIDを非表示/違反報告)
miiika(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。。久しぶりに読み返しました。密かに更新まってます。。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: bda362bf51 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - めぐさん» この作品好きすぎて何度も読んでます!!!!ずっと更新されるの待ってます(;;) (2018年12月9日 21時) (レス) id: 91e5585f91 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 大好きな小説なんですが、もう更新されませんか?( ; ; ) (2018年5月19日 23時) (レス) id: ad1d0b09df (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 更新まってます( ;∀;) (2017年10月20日 0時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るりか | 作成日時:2016年12月11日 2時

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