太宰治の指導教官 弐【文豪ストレイドックス】【太宰治】

第五十五話 ページ23

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今日の任務は、傘下組織の間で起こっている小競り合いの粛清 ........なのだが_____________









「一寸中也！先行し過ぎないでよ、何人居ると思ってるの？！」









「煩ぇ青鯖！！文句言うなら自分でやれ！」









「私には後方指揮っていう大事な任務があるの！！






そういう荒事は君の仕事でしょう？！脳筋チビ！」









犬猿の仲の二人は、まるで小学生が口喧嘩をするようにして、仕事をこなしていた






その様子を広津は拍子抜けした顔で見つめ、有川は呆れ顔で建物の上から眺めていた









「有川殿 .....此れは ........？」






『任務だよ ........本質的には普段御前たちに頼んでいるものと変わらない ........極々普通のな』






「はぁ ......然し、此れは余りにも自由奔放過ぎるのでは？」








広津の言葉に、有川は肩を竦めた









『御指摘、痛み入るよ広津さん。矢張り、少々甘やかし過ぎたかもしれないな .......




却説 ........』









ピピッ！









有川の手元から音が聞こえた







握られていたのはストップウォッチ









『三十分 .......時間切れだ ........』









建物の上から指示を出す太宰の隣へと歩み寄った有川は、彼にインカムを此方に渡すよう命じた








『中也、聞こえるか？』









「Aさん？！」









『時間切れだ。私が指示を交代する、従ってくれるね？』






何時もと違う冷たい声に中也はぎこちなく返事する






結局、任務はそれから十分で肩がついた








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ゴンッ！ゴンッ！









二人の頭に有川の鉄拳が振り下ろされた








『 ........如何して私が此の任務に、御前達以外の部下を連れて来なかったか判るか？』






黙り込む二人に、一つ溜息をついて有川は続けた








『犠牲者を出さない為だよ。全く御前達は啀み合ってばかりで ........任務から目を背けがちだ。





啀み合うのは構わん。だが、任務に支障は出すな。御前達のその行動で、何人が死ぬと思う ........』







二人分の“ごめんなさい”が聞こえてきた後、






有川は二人の頭を撫でた








『善くなってきている部分もあるのだから、確り励みなさい。大丈夫、御前達ならできるよ』






その言葉に、二人は照れ臭そうに笑った









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「だから貴方は甘いのですよ」








『 ........反省している』

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