第五十六話 ページ24
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「御加減は如何ですか?首領」
部屋の中に、男の声が響く_____________
背に隠した手には、一本のメス
赤い月光を浴びて、鈍く、怪しく光る
それを見つめる、一人の少年
今宵は_______満月だった_____________
_____________
一時間前、
有川は珍しく帰りの遅い太宰を、夕食を食べずに待っていた
時刻は二十三時
「遅い .......遅すぎる ........」
数刻待ってみたものの、彼が帰って来る気配はない
痺れを切らした有川は、外套を羽織り部屋を出た
部屋を出た先に一人の部下を見かけ、声をかける
「太宰殿であれば、先程森医師と共に首領室へ向かわれていたようですが ........
少し暗い面持ちでしたね」
森医師と?彼奴は彼のことを余り好んでいなかった筈だが ........
『 ........!真逆 ........?!』
_____________
見張りの黒服を下がらせ、首領室に這入った
書斎には誰一人として姿が見えない
唯、或る部屋から、嗅ぎ慣れた臭いがした
部屋には珍しく、鍵が掛けられている
有川は迷わず、その扉を蹴破った
_____________
其処は寝室だった
見るとそこには返り血を浴びた森と
目を見開き驚く、太宰の姿
「矢ァA君、奇遇だねえ .......」
『何を ........している ........?』
「見て判らないかい?首領は亡くなられ、私が後を継いだ ........
証人は太宰君だよ ........」
怪しげな笑みを浮かべる森に、有川は驚きを隠さなかった
『嗚呼 ........そうか ........はっ、はは ........
その男は死んだのか ........』
乾いた笑いをあげる有川は、その後打って変わったように無表情になって、顔を俯かせた
『悪い、治。少し話があるんだ
部屋に先に帰っててくれないか ........?』
恐ろしく冷たく鋭い声に、太宰は頷き、部屋を出る
彼が出て行くと
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ガッ!!!
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部屋に、鈍い音が響いた_____________
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月宮澪華 - 有川さんと紅葉さんのお茶会内容 (9月22日 19時) (レス) @page47 id: dd50640cfb (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 玉こんにゃくさん» 読んでくださってありがとうございます!!文才私も欲しいです!分けてください!(笑)これからもよろしくお願いします! (2020年11月9日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
玉こんにゃく(プロフ) - 待って、カッコいい…!有川さんん゛大好きです!文才分けてください私に! (2020年11月9日 0時) (レス) id: d74a9424e1 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 柊さん» え、貧血?!大丈夫ですか ...?お大事になさってくださいね ...いつもコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします(^^)『いつもありがとう。柊さんも体調に気をつけて、またお互い頑張ろうな』 (2019年5月21日 12時) (レス) id: 27ee46e64f (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - ううう有川さんがかっこよすぎて惚れても惚れきれないいいい!!更新ありがとうございます!待ってました!!体調には気をつけてくださいね。私は最近貧血になりました← (2019年5月21日 0時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年7月17日 18時