常識?ナニソレ美味しいの? ページ3
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「…………!?は、ちょっ…え!?」
『今、持ち合わせはこんな紙のしかないけど100枚あるし…コレで大丈夫か?』
「ちょ…バカ!早くしまえ!」
『?何でだ』
熊谷は不思議そうな顔をするAの腕を掴み、鞄に戻す。
『むぅ…やっぱり、足りないのか。何枚あっても紙は紙だもんね…』
「はぁ!?ちょっと待って、あなた何を言ってるの⁉︎っていうか、何で小学生がこんな大金を持っているのよ‼︎」
『こっちに帰って来るにあたって、遊真に貰った』
「あー…君、海外から来たのか。確かに見た目、日本人ぽくないもんね」
そう言われ、自分を見てみる。
確かにAの容姿は日本人離れしている。と言っても、髪色だけだが…。
髪が真っ白なのだ。顔立ちは完全に日本人だが、日本にはない珍しい白髪。
外国人と勘違いされてもおかしくはない。
『そうか?でも、確かにこの前まで海外にいた』
「だろうね、そんな行動する日本人なんていないよ。後、あんまりこういう事はしない方がいい」
『ふむ…そうなのか。で、さっきのお金で大丈夫か?紙だけど』
「あぁ!全然分かってない!!」
グワッ!とAの肩を掴み、ガクガクと揺らす熊谷。
またもや、不思議そうな顔をするA。
「いい!?さっきみたいに、お金は無闇矢鱈に出したら駄目なの!日本の常識!!」
『日本の常識…。ルールみたいなものか?』
「う…うーん、少し違うけど…そういう感じ」
『なるほど…気を付けよう。感謝する熊谷さん』
そう考えているAを見てか、熊谷は話しかける。
「お礼はいらないよ、当然のことだし」
『当然…それも日本人の常識か?』
「うーん…これは常識って訳じゃないよ。私がしたくてやった事だから」
そう笑いながら言う熊谷。そして、熊谷はもう一つ気になっている事があった。
それは…
「それよりアンタ、学校は?転校初日なんでしょ、時間大丈夫なの?」
『…ヤバ。今何時だ?』
[現在8時45分。30分の遅刻だ]
熊谷には聞こえない。Aの耳元でレプリカが現在の時刻と遅れている時間を伝える。
『…それじゃ!熊谷さん、助けてくれてありがとう!常識?とやらはまだよく分からんが、兎に角気を付ける』
そう言ってAは学校がない反対方向に走り出した。
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[…ナマエ、学校は逆方向だ]
『先に言ってよ!』
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キャッサバ(根茎) - いろはさん» すいません、誤字報告ありがとうございます。直しておきました!これからもこの作品をお願いします (2023年2月25日 22時) (レス) id: 3bbb2dea33 (このIDを非表示/違反報告)
いろは - 面白いです。下校時刻の所で高校に転入となってますが中3だったと思います。 (2023年2月20日 19時) (レス) id: cf80841426 (このIDを非表示/違反報告)
セナ - とても面白い小説です (2022年12月25日 13時) (レス) @page9 id: 189e75546d (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 面白いです!頑張ってください! (2022年11月30日 1時) (レス) id: 6811a220f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャッサバ(根茎) | 作成日時:2022年11月2日 16時