道化師の仮面 No.2 (ページ16)

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cinquant et unー過去(森本編) ページ16

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ー北斗side

就寝前の読書の時間

学業を終え、お店を手伝い、帰宅してゆっくりまったりの時間

普段仕事以外で鳴る事のない無線がなった時は心底驚いたよ

それと同時にこーちに何かあったって不安が体中を巡って

正直連絡を確認しないまま走り始めていた

『トーン』に着いたら

案の定

ー何かーあったみたいで

(コーチを傷つけようとする奴らは容赦しない。)

コーチと相対している奴は、自分の敵だと瞬時に理解し

とっ捕まえた。

「ごめん、遅くなった。こいつ、何？」

声に抑揚がないのは仕方ない

コーチに敵意むき出しのこいつには怒りしかないからね

高「…や、全然早いくらいだよ。」

…そんな苦笑いで見てるんじゃないよ。

俺来なかったらこいつどうしてたのよ。

俺の腕の中で暴れてるこいつ、
結構力ありますよ？？？

高「んー、なんかそこで倒れてた。」

「ほう。」

高「だから手当しようと連れてきたら、そんな感じ。」

「なーるほど。こいつはコーチの優しさを踏みにじろうとしたわけ。」

？「離せよォ！！！！」

…全然静かにならないじゃん。

パッと見怪我の種類的に

そういうことだろう

とは、思った。

いや、思いましたよ？？？

でもね？

もうつまみ出していいかな？？

…いいよね？？？

「コーチの優しさが分からない奴はさよならです。」

そう言って扉へと連れていこうとしたら

高「ねぇ、なんで怪我してるの？」

…ほんとお人好しめ。

「こーち。」

高「んー？北斗がいれば安心でしょ？それに、」

なんだかんだ、心配してんじゃないの？

…そりゃそうでしょ。

まだ幼いこの子がこんなに傷を負って、

1人でこんな夜更けに倒れてたなんてさ

「…俺が来なかったらどうしてたのさ。」

高「まぁ、その時はその時よ。」

知ってる。

もし俺が来てなくても、

自分だけでどうにかできる力を持ってるってこと

「ほんっと、そういうとこ…。」

いつの間にか大人しくなっていた腕の中の彼を、

カウンターの椅子に座らせ話を聞く体勢を作る

…おいおい、この子泣きそうじゃん。