俺はなんでこんなヤツを好きになったんだよ！3 (ページ8)

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次の日の朝、教室の俺の机に紙切れが置かれていた。

「ん？なんだこれ…」

ラブレター…とかではないな。
(誰だ、今笑った奴)

俺は不思議に思いながら手に取って、げぇっ…と声を漏らす。

ひたすら英語の単語が書かれた紙だった。
しかも、テスト形式に意味を答えたりスペルを書く欄がある。

その紙の右上に手書きで雑な字が書かれてた。

『放課後までに解け』

「…これって…」

Aが俺に準備してくれたのか？

そう思ってAの席を見たけど、誰も座ってなくて教室にもあいつはいなかった。

なんだよ、あいつ…
渡すなら手渡しでしろし。

なんだか友達なのに雑に扱われてる気がして俺はムスッとした。

でもってもう一度紙を見る。

…これ解かなきゃあいつに見捨てられるよな。

イヤイヤAは俺に勉強を教えてる。それを忘れんなと言ったのはいつでも見捨ててやるからなっていう意味があったからだと思う。

俺はため息を漏らした。

くそぉ…昨日必死に覚えたけど、こんなの答えられるわけねぇだろ…

とは思いつつも俺は席に座ってバックから筆箱を取り出す。

「…ふんっだ。やってやるってーの！」

今に見てろよ、あの鬼畜女！
絶対にギャフンって言わせてやるんだからな！

俺はシャーペンを握りしめて早速英単語テストを解き始めた。

・・・

「本当にやってきたのか」

Aはちょっとびっくりした様子で、びっしり英語が書いてある俺の答案用紙を見る。

「やってくるに決まってんだろ！お前に俺のすごさを見せてやるって言っただろうが！」

俺はちょっと怒った。
なんかAの俺に期待してなかったみたいな言い方がちょっと悔しくて。

Aは俺から紙を受け取るとざっと見る。

「…わかんないところテキトーに埋めたな」

「えっ…あー、いや…はい…」

目を泳がせる俺をAは鼻で笑う。

「ま、いいだろ。やる気は満ち溢れてるようだし。これは預かるが、明日も同じようにテストするからな」

「えっ！明日もやんのッ？」

「当然だ。毎日やるから意味がある」

「毎日…！」

んなのやってられっかよ！
って思ったけど、不満を飲み込んで俺は堪える。

テストを嫌がってる俺の様子を無視して、Aは問題集を投げた。

「今日は数学と生物をやる。座れ」

「あ、はい…」

「まずはお前の腐った脳みそがどこまで覚えてるか教えろ」

「腐った脳みそって…」

そんなこんなでAのスパルタ勉強が始まった。