ページ ページ9
『良かったですね、大事にならずに済んで』
電話口から聞こえる声に、コナンは顔をしかめた。
彼女が帰った後、少年探偵団たちは聞き込みなどでもぐら団子の材料を買った人物を特定し、犯行を阻止することに成功した。
そのことに関して、ヒントをくれた礼も兼ね、コナンはとある人物に電話で報告していた。
「Aさん、分かってたんなら言ってくれたっていいじゃんか!」
コナンが怒鳴ると電話の相手であるAはふふ、と面白おかしそうに笑う。
そんな彼女に対し、大人気ないと言ってやろうか、と考えていると。
『夕食の時間も事件に追われるだなんて、流石の私も疲れてしまいます』
と苦笑しながら言った。
その言葉に「殺人現場で悠々と珈琲飲んでたくせに」とコナンは呆れたように呟いた。
___その後も会話が暫く続いたが、このとき会話をしてコナンが後悔するのは、もう少し後の話である。
◇ ◇ ◇
一人、とある建物の壁に背をつけ、スマートフォンを慣れた手付きで操作していく少女の姿があった。
「暮……ありが、とう、ました……」
途切れ途切れに呟きながら画面をタップしている少女。その最後に「送信っ」と声を出すと同時に、画面に表示されている『送信』の文字をタップした。
「……無事終わったようでしたし、心配は無用、でしょう」
彼女は『送信完了』の文字を見ると、安心したように微笑む。
そして、ある一点を見つめた。が、すぐに視線を逸らす。
「……子供に、甘いんでしょうかね」
彼女は小さく呟くと、壁から背を離し歩き出す。
そうすると、少女の姿はあっという間に蒼い闇の中へ消えていった。
384人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあ(プロフ) - 雪夜さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです! 夢主の正体は明かされるまで時間がかかりそうです……(ただ単に私の執筆スピードが遅いだけの話である) (2016年8月24日 21時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
雪夜(プロフ) - 小説読ませて頂きました。 不思議ちゃんタイプかつミステリアス系女性…いいですね!最近コナンにハマってるのでこういう面白い感じの読みたかったんですよね!お喋り会の会話も面白いwww (2016年8月23日 20時) (レス) id: 9f458a58ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 南湖さん» コメントありがとうございます! そうなんです、FBIの方いらっしゃいますよ。私の方も早く登場させたいと思っているところでございます(笑)。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
南湖(プロフ) - ご存知ではありませんでした。夢主の知識量凄い……ところでそこにはFBIもいるんだけれど? (2016年8月11日 20時) (レス) id: 1cca674757 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - *.・赤井 揺芽・.*さん» コメントありがとうございます!三人称は初挑戦になるのに付け加え苦手でもあるのですが、まさかそれについてお褒めのコメントを頂けるとは……!まだまだ経験不足の未熟者ですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです (2016年8月9日 0時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ