【名探偵コナン】お喋り許可の申請書

03　間違った献立 ページ7

街には茜色の光が降り注いでいた。
ちらほらと街灯がつき始めていることから、日没が近いことが伺える。

そんな中、米花町のデパートのある一角では買い物客が大勢押しかけていた。


「そうだ！献立推理ゲームしませんか？」


その近くの長椅子に腰掛ける子供4人＿＿＿その内の1人、円谷光彦が声を上げた。

光彦の提案に対し「献立推理ゲーム？」「何だそりゃ？」と疑問の声を投げ掛けるのは、吉田歩美と小嶋元太の2人。残りの1人、コナンは興味なさ気に光彦に視線を向けた。

それはですね、と自信満々に説明をし始める光彦。


「皆が捨てていったレシートから、その家の夕食が何かを推理するんです」


そう言いながらレシートが入った箱に手を伸ばすと、楽しそうにレシートに目を通しはじめた。


「じゃがいも、玉ねぎ、鶏卵6個入り、牛挽き肉、パン粉……では？」

「コロッケ、でしょうか。ですが小麦粉がありませんね」

「前に買ったのが残ってるんだろ」


コナンの言葉に歩美がえ？と声を漏らす。

その声にコナンは「『残ってる』以外に考えられることっつっても、ほぼないだろ」と言いかけたが、本来聞こえるはずのない声が混じっていることに気付き、言葉を止めた。


「小麦粉と言ったらかき揚げも良いですね」

「Aさん！？」

「外食なんて手もありますけど、健康的に考えて自炊が一番ですねー」


のほほんとした雰囲気を出しながらコナン達の後ろに立っているのは、紛れもない二階堂Aだった。

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