07 奇妙な切り方 ページ31
1
阿笠邸にて、コナンはソファに腰掛けぼんやりと窓の外を眺めていた。
コナンの隣では、一人を除く少年探偵団のメンバーが楽しげな会話を繰り広げている。
「何、またあの人のこと考えてるの？」
コナンの様子を見かねてか、灰原は少し笑ってコナンの隣に腰掛けた。
「前に、俺とAさんで事故に見せかけた事件を解決したって話ししたよな」
「あぁ、えーっと……確か二週間前くらいの」
「ん。そこで、少し気になることがあって……」
コナンが気にかっているのは、事件翌日にかけた電話のこと＿＿ただ、電話のことといっても内容がという意味にはならない。
まさにそのことを質問した灰原にコナンは口籠りながら否定した。
「いや……俺が気になっているのは電話内容じゃなく、電話の切り際。まあ、俺が電話をかけたときは忙しくてああいう切り方になったんだろうけど……」
そう言いながらAと会話をしていた際に電話越しに複数の声が幾つか聞こえてきたことを思い出す。
一方、Aとコナンのやり取りを知らない灰原は電話についての質問を重ねた。
「その電話の切り際、彼女は何か言ってたの？」
「いや？ 特に何も。おい灰原、まさか分からないなん、っ痛ってえ！」
灰原は、何を質問してるんだと呆れたような目を向けるコナンの足を思いきり踏んだ。制裁を受けたコナンは許しを得ようと慌てて謝罪の言葉を並べるがそれさえも呆気なく無視をされてしまう。
「ふん。自分だけ知ってるからって調子に乗るの、止めなさい。ガールフレンドに嫌われるわよ？」
「余計なお世話だ！ ったく、お前のせいで話が逸れちまったじゃねぇか！」
キレかけているコナンの話を灰原は適当に促す。
「で、一体何なの？ あなたがそんなに気になってる“切り際”ってものは」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 384人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあ(プロフ) - 雪夜さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ 夢主の正体は明かされるまで時間がかかりそうです……(ただ単に私の執筆スピードが遅いだけの話である) (2016年8月24日 21時) (
レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
雪夜(プロフ) - 小説読ませて頂きました。 不思議ちゃんタイプかつミステリアス系女性…いいですね！最近コナンにハマってるのでこういう面白い感じの読みたかったんですよね！お喋り会の会話も面白いwww (2016年8月23日 20時) (レス) id: 9f458a58ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 南湖さん» コメントありがとうございます！ そうなんです、FBIの方いらっしゃいますよ。私の方も早く登場させたいと思っているところでございます(笑)。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
南湖(プロフ) - ご存知ではありませんでした。夢主の知識量凄い……ところでそこにはＦＢＩもいるんだけれど？ (2016年8月11日 20時) (レス) id: 1cca674757 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - *.･赤井 揺芽･.*さん» コメントありがとうございます！三人称は初挑戦になるのに付け加え苦手でもあるのですが、まさかそれについてお褒めのコメントを頂けるとは……！まだまだ経験不足の未熟者ですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです (2016年8月9日 0時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
