【名探偵コナン】お喋り許可の申請書

江戸川コナンの付記 ページ30

あの後、俺は無事おっちゃんと帰宅した。
　予定ではAさんに家まで送り届けてもらう筈だったのだが、おっちゃんと一緒の方が良いだろうと言う彼女の判断からそういう成り行きになったのである。

　帰宅後、おっちゃんはAさんのことを『変わった人』と呼んでいた。

　まあ無理もない。

　ああ、そういえば。
　翌日、俺はAさんに電話をかけた。そして最後の言葉の意味を尋ねると、彼女は案の定電話越しでも笑い声を響かせていた。


『私が質問をしてしまったら、楽しみが減ってしまいます』
『それ、遠回しに』
『ふふっ、勿論自分のためだけではありませんよ？ これにはあなたにもメリットがあります。……簡単です、だって質問しなければ何も得られないじゃないですか』


　質問しなければ、彼女がしていたであろう推理が正しいと言う確証を得ることはできなくなる。
と、彼女は言いたかったのか。
　どうやらAさんは素性を暴かれることだけではなく、俺の素性を暴くこともちゃっかり楽しみにしちゃっているらしい。
　……本当にあの人なんなの？ 考えてることの約八割がよく分からないんだけど。
　当人にそれを質問すれば、笑って有耶無耶にされてしまうだろうけども。


　面倒な人だけど、たまにはああいう変わり者を分析するのもいいかもしれないな。
　また、分析されるのも、案外悪くないのかもしれない。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
久々の一人称だったけどとても書きやすかった、という呟きはともかく。

誰だこんなキャラ迷子付記を書いやつ！！

07　奇妙な切り方→←前ページ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す