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「ただいまです」
Aは自宅に帰ってきたかのような軽い挨拶をし、にっこり笑った。
「そう、これは警部の言う通り事故です!」
ちゃらんぽらんな小五郎の推理を皆と共に聞かされていたコナンはAの姿を見ると息を吐く。そしてAを軽く睨み付けると、
「遅い」
「いやぁ、あなたも苦労人ですねえ」
茶化すように笑うAをコナンは横目に見ると「何か情報は得られたの?」と尋ねる。
「ええ、バッチリです。ちょっとした方にお願いして目撃者を呼んでもらいましたから」
Aはいつものように朗らかな笑顔を浮かべると早速高木から聞いた話__人間関係においてのトラブルが多かったことや目撃者がいたことをコナンに話した。
勿論一言も漏らさずに、分かりやすく。
その話を聞き終えたコナンはAが目撃者の話題についてあまり触れていないことに気付き、そのことを指摘するとAは嬉しそうに笑った。
「三人いましたよ。アリバイなど三人についての詳細もしっかり聞いてきたのでご安心を」
と、どこか自慢気に言うA。その様子から褒めてもらいたいと言うAの意図を察したコナンは敢えてそこには触れずに話を進める。
「目撃者について教えてくれる?」
が。
「全くあなたは女心と言うものを知りませんねー……そういう男の子は嫌われますよ」
がっくり肩を落として言うAにコナンは乾いた笑みを零した。
「気を取り直して……目撃者について」
「目撃者は湯地和夫さん、蒼矢晴子さん、茅野史郎さんの三人です」
Aはコナンの言葉を遮り、目撃者について語り始めた。
「一人目の彼は、会社に用があり十三時から十七時半の間は社内にいたとか。順平さんを見かけたのは家へ帰宅する際に通り掛かる米花公園前だそうです」
__その後もスムーズな流れで話を進めていった。
二人目の蒼矢晴子は十五時に友人の家へ出掛け十七時まで友人の家にいた。順平を見かけたのは米花公園付近。
そして残す一人、茅野史郎はコンビニに寄った帰りに米花公園前を通った際に順平を目撃したとのこと。コンビニに滞在していた時間は十六時半から十七時の間。
そして見かけた人物__順平は帽子を被っていたことを彼らは証言した。
「私が践んだ通り三人から面白い話が聞けました。目撃した時間帯も場所も同じ上に帽子を被っていたとなればこれが第三者による犯行で、前述した三人の誰かが順平さんになり済ましたと言うことが確定しますから。
ちなみに彼らのアリバイはしっかり証明されていますよ」
彼女はにっこり笑った。
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ゆあ(プロフ) - 雪夜さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです! 夢主の正体は明かされるまで時間がかかりそうです……(ただ単に私の執筆スピードが遅いだけの話である) (2016年8月24日 21時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
雪夜(プロフ) - 小説読ませて頂きました。 不思議ちゃんタイプかつミステリアス系女性…いいですね!最近コナンにハマってるのでこういう面白い感じの読みたかったんですよね!お喋り会の会話も面白いwww (2016年8月23日 20時) (レス) id: 9f458a58ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 南湖さん» コメントありがとうございます! そうなんです、FBIの方いらっしゃいますよ。私の方も早く登場させたいと思っているところでございます(笑)。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
南湖(プロフ) - ご存知ではありませんでした。夢主の知識量凄い……ところでそこにはFBIもいるんだけれど? (2016年8月11日 20時) (レス) id: 1cca674757 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - *.・赤井 揺芽・.*さん» コメントありがとうございます!三人称は初挑戦になるのに付け加え苦手でもあるのですが、まさかそれについてお褒めのコメントを頂けるとは……!まだまだ経験不足の未熟者ですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです (2016年8月9日 0時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
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