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「初めまして。私、二階堂Aと申します」
そう言って深々と頭を下げるAは顔を上げても尚、笑顔である。
「探偵の毛利小五郎さんですね、噂は兼々聞いております。お会いできて光栄です」
Aは目の前に立つ探偵、毛利小五郎への一連の挨拶をすると、小五郎は顔をしかめた。
「自己紹介に関しては大したものだが……子供二人が夜道を歩くのに関しては感心しねえな。最近物騒なニュースが上がっていることだし」
「……」
小五郎の言葉を聞いたAは笑顔のまま無言だった。
その沈黙に違和感を感じたコナンはAの顔を覗き込む。しかし、彼女は相変わらず笑みを浮かべたままである。
何か気に障ることを言ったのだろうかとコナンと小五郎は不思議に思っていると、数十秒たったところで「何を仰っているんです?」と、可笑しそうにAは笑い始めた。
「二階堂A、二十三歳。法律的にお酒も飲める歳ですね」
「えっ!?」
唐突な年齢公開に思わず声を上げたコナン___ずっと未成年だろうと思っていた彼からすれば、その事実はあまりに衝撃的だった。
小五郎に至っては「二十三!?」と、Aを五度見ほどしていた。
「もうやだなぁ、毛利さんったら!」
驚くコナンと小五郎を他所にあはは、と笑うAの目からはハイライトが消えている。
しばらくしてようやく彼女の笑い(目は笑っていない)が収まったところで、Aは息をついた。
「ふう。確か、事件当時についてのお話でしたよね、目暮警部?」
___事件とは、コナンとAが喫茶店を後にし、その途中にあった家が突然燃え始めた、と言う奇妙な事件のことである。
Aは何かを思い出すような素振りをすると、目暮に笑みを向けた。しかし未だ目からはハイライトは消えている。
「私は探偵君と十六時頃に喫茶店にいました。そこから二時間経った十八時に店を出て、探偵君を家まで送り届ける予定だったのですが」
「その途中、通りすがった家が突然燃え始めたと……」
「ええ。ちなみに十六時から十八時までの間、両者一度も席を立っていないことを言っておきますね。『アリバイ証明法』ですが……入店時刻、退出時刻はレシートを。席を立っていないことは防犯カメラを見ていただければっ……と」
Aはバッグの中を手で探りながら自分達の『アリバイ証明法』を語ると、しわ一つついていないレシートを取り出した。
「それと……」
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ゆあ(プロフ) - 雪夜さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです! 夢主の正体は明かされるまで時間がかかりそうです……(ただ単に私の執筆スピードが遅いだけの話である) (2016年8月24日 21時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
雪夜(プロフ) - 小説読ませて頂きました。 不思議ちゃんタイプかつミステリアス系女性…いいですね!最近コナンにハマってるのでこういう面白い感じの読みたかったんですよね!お喋り会の会話も面白いwww (2016年8月23日 20時) (レス) id: 9f458a58ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 南湖さん» コメントありがとうございます! そうなんです、FBIの方いらっしゃいますよ。私の方も早く登場させたいと思っているところでございます(笑)。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
南湖(プロフ) - ご存知ではありませんでした。夢主の知識量凄い……ところでそこにはFBIもいるんだけれど? (2016年8月11日 20時) (レス) id: 1cca674757 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - *.・赤井 揺芽・.*さん» コメントありがとうございます!三人称は初挑戦になるのに付け加え苦手でもあるのですが、まさかそれについてお褒めのコメントを頂けるとは……!まだまだ経験不足の未熟者ですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです (2016年8月9日 0時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
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