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店の外に出れば、頭上には青い空が広がっていた。
街独特の平和な喧騒に包まれながら、少女は両手で抱える茶色い紙袋を嬉しそうに眺めている。


「ところで、お姉さん名前は?」


コナンが頬を緩ませている少女の顔を除き混むと、少女はにこっと満面の笑みを浮かべた。


「二階堂です。二階堂Aです」


少女、二階堂Aは名前を名乗り終えると再び視線を茶色い紙袋に移す。


Aが今抱えている紙袋の中には、取るタイミングが見事なほどに被ってしまったあの本が入っている。

最終的にはコナンが買うこととなったものなのだが、その後の彼女の本を見る羨ましそうな視線に負け、結局三日間だけAに貸すこととなったのである。


「……これまた随分物騒な世の中になったものですねー」


大通りに出だところで足を止めたかと思うとそんなことを口にした。
なんのことだろうか、と思いコナンも足を止めると、彼女に釣られるように上を見上げる。


『昨日未明、都内の冷凍施設で遺体が____』


Aの視線の先には大型テレビ。
テレビから流れる声を聞いてコナンはああ、と理解する。
彼女が物騒だと言っていたのは、この殺人事件のことらしい。

意味をようやく理解できたコナンは、テレビから流れるニュースキャスターの声に耳を傾けた。


『凶器は刃物と見られていますが、未だに見つかっておらず、捜査は難航しているということです。次の______ 』


「……大方、刃物とされるものは氷でしょうね」

「えっ」


唐突に口にした言葉を聞いてコナンは目を見張った。
しかしそんなコナンに構う素振りを見せる様子もなく、彼女は青になった信号機を見るとさっさと歩き出してしまった。

次ページ→←01 時に、変わり者に出会うでしょう



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設定タグ:名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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ゆあ(プロフ) - 雪夜さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです! 夢主の正体は明かされるまで時間がかかりそうです……(ただ単に私の執筆スピードが遅いだけの話である) (2016年8月24日 21時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
雪夜(プロフ) - 小説読ませて頂きました。 不思議ちゃんタイプかつミステリアス系女性…いいですね!最近コナンにハマってるのでこういう面白い感じの読みたかったんですよね!お喋り会の会話も面白いwww (2016年8月23日 20時) (レス) id: 9f458a58ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 南湖さん» コメントありがとうございます! そうなんです、FBIの方いらっしゃいますよ。私の方も早く登場させたいと思っているところでございます(笑)。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)
南湖(プロフ) - ご存知ではありませんでした。夢主の知識量凄い……ところでそこにはFBIもいるんだけれど? (2016年8月11日 20時) (レス) id: 1cca674757 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - *.・赤井 揺芽・.*さん» コメントありがとうございます!三人称は初挑戦になるのに付け加え苦手でもあるのですが、まさかそれについてお褒めのコメントを頂けるとは……!まだまだ経験不足の未熟者ですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです (2016年8月9日 0時) (レス) id: 8301c7292f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨屋まほろ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年7月31日 16時

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