ー 第三特異点 7 ー ページ8
こちらを上から下まで眺め見ての、
当人からの第一声はそれだった。
ボンベ、と呼ばれた海賊は頷く。
「へぇ、でも、見所はあるんすよ」
自分たちの命をとらず、
船長と話をしたい、だなんて、と。
「ふぅん、まぁいい。下がりな、ボンベ。
なら、話はアタシがしようじゃないか」
ボンベはその場から去った。
「それで?あんたたちは一体何者なんだい?
ウチのアホウどもが世話になったようだが」
ドレイクは未だ、
訝しげな眼差しをこちらへ向けている。
ーー定例にならうがごとく、
秋が前へと歩み出た。
「ーーはじめまして。
フランシス・ドレイク船長。
我々は、『カルデア』という機関の者です」
自らの名を名乗る。
「ーーカルデア?
星見屋がなんの用だい?」
(・・あぁ、
カルデアってそういえば天文台のことだったかな)
彼女の知識に感服しながら微笑む。
「端的に言うと、
我々はこの時代の問題を修正するべく訪れた者です。
恐らく貴方は気付いているのではありませんか?
貴方のいるこの海が、
これまで貴方の過ごしてきた海とは違う、
ということに」
その言葉にドレイクの表情が変わった。
「ーーふぅん。
まさか海の話をされるとはね。
これじゃぁ無視出来ないじゃないか。
アンタ性格悪いねぇ。実に海賊向きだよ。
やれ星見屋だの、やれ役人やら、
やれ軍人やらよりね」
そこでドレイクの気配が変わる。
「ーーアタシたちは海賊だ。
自由のためならあらゆる悪徳をも許容する。
アタシと話がしたいなら、
まずはアタシを倒してからにするんだね」
「・・なるほど。
さすがは海賊の長。わかりました」
秋の笑顔にドレイクも笑う。
「いいねぇ。話のわかる男は嫌いじゃないよ。
アンタいい男だね」
*
一戦を交えて、わかったことがある。
「マスター、この方、もしかすると、」
「うん?」
ロマ二から通信がはいる。
『彼女から魔力を感じる・・
これは、魔術師か、それとも、
生まれついての英雄かな?』
「・・いや、まさか、これは・・」
アルジュナから耳打ちされた言葉に考えた。
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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時