[あんスタ]苦手な物は、正義のヒーローです。2【流星隊】

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皆と別れた後、1人学校を出ると空は星が出る程に暗くなっていた。


まるで、黒い絵の具を零した様。


不意に、深海さんの言葉が頭に浮かんだ。


「よるは、”くらい”ですからきをつけてくださいね♪」


その言葉と、目の前の風景が重なって少し不安になった。


灯りが欲しくて、暗い空を見上げると


貴『あ、月だ…』


暗い闇の中、丸い黄色い月が浮かんでいた。


月は、闇に負けない程に光輝いていて


その周りだけ、闇が薄くなっていた。


そして、そんな月を囲む様に星達が輝く。


その光が、暖かで思わず


絶対に届かないのに月に手を伸ばした。


勿論、手は月に触れる事なく空を描くだけ。



貴『届かないなぁ…』


ポツリと呟いた言葉は、闇の中に溶けていった。


少しだけ、星達に囲まれる月が、

闇に負けない位に輝く月が、


羨ましくなっちゃって。


少しだけ月になりたい、そう思ったんだ。



輝いている月が、一層遠くなった気がした。





(そんな私を月は、馬鹿だと嘲笑うんでしょう？)

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