【A3!】寄り道しすぎでは。 (ページ2)

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ここはさっきまでおった所やんな…？

私の気が違ったのかと、携帯を取り出し地図を確認するが、地図には違う街名が表示されていた。

『天鵞絨町…？』

そう、そこには【天鵞絨町】と確かにかかれていたのだ。

天鵞絨町、それは私が好きなスマホゲーム「A3!」の舞台である町。
もちろんそれは架空の都市であって、この地球には存在しない。しかし、今私がみている地図にはそうかかれている。

街もレンガやコンクリートで造られたカラフルな建物になっており、電柱と電柱の間には三角形の旗が多く飾られている。

どうみても、さっきまでしていたゲームの世界だ。

夢でも見ているのかと思い�茲をつねってみたがやはり、

『痛い…』

ってことは、トリップ！？

夢小説ヘビーユーザー夢豚の私が今の状況を把握するのは容易なことであった。
2次元に行きたい、が口癖の私にはとても嬉しい出来事のはず。けれど、実際に行けると思ってなかった上にやり残したことがたくさんある私は複雑な心境だった。

けれど、もし本間にトリップしたとしてたら、帰り方も分からんし、来てしまったからには全力でA3生を楽しむしかない…！

そう考えた私は、とりあえずMANKAI劇場に向かおうとした。

そういえば、原作のどの時期にトリップしてきてんやろ…そもそも本間にここ、A3の世界なんかな…

そんなことを考えながら町を歩いていると、
「お前が悪いんだろっ!!!!」
と怒号が聞こえてきた。

え、なにケンカ？

そこには黒髪細身の男と、茶髪体格の良い男がいた。
どうやら声をだしたのは黒髪の男だったらしい。

「お前が悪いんだろ！お前が、俺のプリンをとるから…！！」
「名前書いてなかったじゃん！冷蔵庫に入れるときは名前かかないといけないってルールだろ！」

『ぷりん…？』

え、なにあの2人、プリンであんなにケンカしてんの…？かわいいかよ…

私の口がつり上がるのと同じように、周りの人々からも笑い声が聞こえてくる。

あ、もしかして、これがストリートACTっていうやつなんかな。2人を囲んでる人とかめっちゃ見てるし、普通こんな見やんよな。
町で普通にストリートACTしてるって2次元の天鵞絨町でしかないよな…

じゃあやっぱりここは、

『A3の世界や！！』

MANKAI劇場いかな！！！
そう走りだした私は劇場に向かった。