裏切り 15 ページ18
寒いわ。ちょっと風呂入ろ。
「ふぅ〜…あったかい〜♪」
ここの風呂は広くていいわ〜♪しかも、誰もいないから貸切状態!
「ふー」
前までは、モルちゃん、ヤムちゃん、ピスティと一緒に入ってたのに。
ちょっと寂しいかも。
ガラッ
誰か入ってきたみたい。ちぇっ、貸切状態だったのに。誰?
「A…入ってもいいですか?」
モルちゃん………
「どうぞ」
「「………」」
重い沈黙の中、それを破いたのは、モルちゃんだった。
「あの、ずっと考えてたんです」
「何を?」
「酷い言葉のことをです」
「へー」
「ずっと、言い出せなかったんですけど、初めて泣いた時。あの時のミーヤさんの涙は、嘘でした」
だろうね。
「口が笑ってました」
やっぱり。
「でも、とても信じられなくて。アラジンやアリババさんに言っても、信じてくれなくて。
ずっと、酷いことを言ってすいませんでした」
………………
「A!?あ、あのっ」
なんでそんなに慌ててるの?
何か、ほっぺたが濡れてるような…。
「わたし……泣いてるの?」
「A!大丈夫ですか!?」
わたし……泣いてるんだ……。
なんで?……嬉しいんだ、モルちゃんが謝ってくれて。心配してくれて。
──────嬉しいんだ。モルちゃんが、信じてくれて。
「モルちゃんっ!信じてくれて、ありがとう」
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作成日時:2017年4月5日 22時