ヤンデレ教室【黒バス】

thirteen＊私が二人 ページ15

『寒いですね』



図書室は学校舎の外にある



外に出てみると

震えるぐらい寒かった



冷たい風が肌を切るように、顔や足が痛い



だけど、図書室に入ったとたん
外とは大違いで


とても暖かかった



桃「『失礼します』」



カウンターの人に軽く会釈し、資料がありそうな場所に向かった



桃「どんな資料？
私も探すよ〜」



『あっありがとうございます!!
えと…白月鈴さんを見てみたくて…』



桃「…………本当に見るの？」



さつきが穏やかだった顔から


みるみる険しい顔になっていった



怖かったけどハッキリと言うことにした



『はい!!見てみたいんです!!』



そしたらさつきは悲しそうな顔をした



桃「そう…
でも図書室には無いよ」



『そうなんですか…』


確かにそうだ


さつきたちと同い年なら

まだ卒業アルバムとかには
載っていないだろう



桃「でも見たいんだよね？
私、白月鈴の写真持ってるよ
見せてあげる」



『本当ですか!?
ありがとうございます!!』



と、礼を言い

深々とお辞儀をした


さつきは


「よく頭下げるよね」


そう言って笑っていた



私が頭をあげると


さつきが胸ポケットから紙切れを出した



紙切れは写真で、


カラフルな集団とさつき


そして＿＿＿＿＿



さつきと寄り添ってＶサインをしている



“私”がいた



桃「驚いたでしょ？
これが白月鈴さん
私の親友だった人」


そう言って“私”を指差した



“私”ではなく“白月鈴”だ


そう自分に言い聞かせたけど


どう見たって私だ




こんなに似るなんてことあるんだ…



さつきが言っていた通りだ



世界には自分に似ている人が二人はいるって言うけど



似ているというよりそのまま私がいるようなものだ



『あ…私…』



桃「Aちゃんがいるみたいでしょ？」



『はい……似すぎています…』



桃「だよね、フフッ
じゃ、もう教室戻ろ？
鐘鳴っちゃうよ」



『そうですね…』



さつきはそう言って


写真を胸ポケットにしまい、私の肩を抱いて



一緒に図書室から出て


教室へ向かった





さつきが険しい顔をしているのも気付かず＿＿＿＿

fourteen＊不覚→←twelve＊おかしい

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