【文スト】現実主義者の妹は【国木田独歩】

#43 ページ49

その夜(#26の後)

乱「あの子さあ、Aだっけ？結構長い間銃を使ってるね。そうでしょ？太宰」

太「よく分かりましたね、乱歩さん」

乱「当たり前だよ、名探偵に分からないことは無いからね！」

乱歩は自慢気に胸を張る。

国「何故わかったのです？」

乱「仕方ないなあ！教えてあげるよ。昼にAの腕を掴んだ時。普通の女性より筋肉質だった。けどあの子の手は手袋を着けてたから見えなかったから手の筋肉は上手く調べられなかった。だけど、あの重そうな銃を簡単に腕一本で持ち上げてたから、筋肉量は一般人を超える。てことは体術に長けている、と考えられる可能性が高い。しかも、あの銃は改造されていた。となると、あの子の銃とか武器に関する知識量は素人を超え、プロ並み。ということは、長い間銃などの武器について勉強をしたか、長い間銃を使って居るか、と云うことになる訳さ。そんなこと、一般人でも分かるよ？」

乱歩は皆を嘲笑うかの様に云った。
乱歩の知識量と観察力は一般人を超え、出来すぎていると云っても過言ではない。

国「流石です、乱歩さん」

福「国木田の妹・・・か」

福沢は何を思ったのか呟いた。

太「あの子は・・・変わったよ」

太宰は何かを呟く。

国「？太宰、何か云ったか？」

太「いや、何でもないよ、国木田君」

＊＊＊＊＊＊＊

国「と云う訳だ」

『へぇ〜。凄いね、その乱歩さん。当たってるよ、推理。』

太「皆、乱歩さんには頭が上がらないんだよ」

太宰は自嘲気味に云う。

『で。あの、社長・・・？さん。』

Aは躊躇し乍ら云う。

福「何だ」

『済みませんでしたァ！！』

国「どうしたA」

Aがいきなり謝り始めたので国木田は慌てる。

『此処に勝手に乗り込んだ上にお宅の社員さんに暴言を吐き、ナイフを投げ、それだけでは飽き足らず銃を使ってしまい・・・。申し訳ございませんでしたッ！！』

Aは頭を下げる。

ナ「どうしましたの？Aさん」

太「落ち着いてA」

二人は戸惑う。
Aは首領であり乍ら、他組織のお偉いさんには礼儀正しいのだ。

福「・・・気にするな」

『済みませんでした・・・』

今日も今日とて大変な日々が過ぎて行く。

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