【５】 ページ21
☆小春side★
ちょうど帰宅途中だった。
ちょっと遠いけど、前を歩いているカップルは翔さんとあす。
お似合いの2人なんです。
しばらく歩いていると2人の前に柄の悪い4人組。
最初は話しているだけだったんだけど、翔さんが1人を突き飛ばすと、いきなり1人が翔さんのお腹を殴って、翔さんはうずくまっていた。
あすは固まっちゃって動けない感じ。
堪らず駆け寄った。
ーーーーーー
☆明日花side★
いきなり小春が来て、私の頭は混乱。
普段争いを好まない小春が大きい声を出して、4人に狙われている。
不良3「いきまーす。笑」
小春に向かって拳が近づいてくる。
もうダメだ。思わず目をつぶってしまった。
ドスッ
恐る恐る目を開けると小春が…
ではなく、その不良が倒れていた。
明日花「…うそ。どういうこと？」
呟いた言葉はほとんど音にならなかった。
不良4人『……。』
小春「こんなことやめてください。
暴力じゃ何にも解決しない、皆さんなら分かるはずです…。
お願いします！」
小春が深々と頭を下げる。
不良1「…分かったよ、分かった！もうしねぇよ。」
そう言って4人は去っていった。
この学園にいるんだもん。親からの期待とか周りからの圧力とかいろいろあるんだろう。
4人も誰かに分かって欲しくて、止めて欲しかったのかもしれないね。
それよりも、
明日花「翔くん！大丈夫？」
駆け寄ると熱い息の翔くん。
明日花「小春！！翔くん、熱がある！」
手が冷たい…。熱が高いんだ。。
小春「えっ、、最近無理してたからかな…どうする？」
さっきとはうってかわり、動揺し戸惑っている小春。
明日花「とりあえず、私の家に連れて行こう。お母さん元看護師だし、佐藤さん呼べば来てくれるから」
小春「うん。」
携帯で家に連絡すると5分くらいで運転手の佐藤さんが車で来てくれた。
(一応私の家には雇いの使用人さんがいる。
送迎してもらうことも。
この学園では、結構ある光景。
小春『いや普通いないからね？』)
明日花「佐藤さん、翔くん車に乗せてくれますか？」
佐藤「かしこまりました。」
そう言って、さっと翔くんを抱え、乗せる。
明日花「ありがとう。そのまま家までお願い。」
そのまま車に乗り込み、小春と共に家に向かう。
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作者名：丹翔 | 作成日時：2022年2月18日 16時
