Whisper____05 ページ7
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昼前。
店内に流れる
入社試験を終え、ひと段落着いた社員達がくつろぐ此処 喫茶「うずまき」では、小さな歓迎会のようなものが開かれていた。
少しおずおずとした動作で新人が座席に座る。
まだ
…その対の座席に座る青年からだった。
すぅぅぅぅぅ、と何か風が巡る音がしたかと思うと________だん!と平手が卓上を轟かせた。
「本ッ当にすンませんでしたッ!」
「はい!?」
先程の入社試験悪漢役の谷崎。冴えない垂れ目を敦に向け、繰り返し背を曲げる。
新人もとい中島敦は、驚きのあまり裏声が混じる声を上げた。
「その、試験とは云え随分な失礼を」
「え、えええ」
まだカチカチとした動作で手を横に「いやいや」と振る敦。
その丁度、盆を持った女給が谷崎の隣に立つ。
視線を泳がせ、女給と谷崎を少し伏せて交互に見比べた後はっと思い出すように「いい良いんですよ!」と云った。
_____意外と…良い人だ、この人。
女給の姿が敦の視界から消える。にこにこと邪気の無い笑みだった。
水が入ったグラスがちょこんと座った。
_
「あれ、イズミンちゃんはまだ来てないの?」
イズミン______Aだ。
此処には一通り入社試験の
「…なんだその“いずみん”とやらは」
「カタいねぇ眼鏡君」
眼鏡では無い、国木田だ、と
「…Aさんなら先程メッセージがあったはずですわ」
ナオミの手元の携帯電話がアイコンを展開する。
《書類仕事にきりが付いたのでそちらに向かいます》
メッセージの下にはお辞儀をする絵文字が貼り付けられている。
「そろそろだね」
珈琲を一口含む。そして新たな話題を上げていた。
先輩社員の談笑、その中敦は、心中で何かに引っかかっている感覚を覚えていた。
先輩社員、もう一人の人質役の…何故か思考を逸らすことが出来ない。
どこか鮮明だが_______しかし明確で無い。
誰にも聞こえない声で舞った言葉は宙に擦り切られ、消える。
_____チリンと歌ったドアベル。
「おばちゃん、珈琲一杯下さい!牛乳を多めで」
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りーこ(プロフ) - ホントこの作品大好きです…!更新はもうしないのでしょうか…?? (6月13日 18時) (レス) @page11 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす亭(プロフ) - あすたさん» わわ!返信有難うございます!!了解しました!!気長にお待ちしております!!! (2023年3月6日 12時) (レス) id: f0d1cce51f (このIDを非表示/違反報告)
あすた(プロフ) - おむらいす亭さん» 一番大好きと言っていただけてとても嬉しいです〜!構想に時間がかかっていましてお待たせしている状況です、、気長に待っていて下さると嬉しいです……!!!ありがとうございます! (2023年3月6日 1時) (レス) id: d4ff684ae2 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす亭(プロフ) - コメント失礼します!!この作品文ストの夢小説の中でも一番大好きで…!また更新していただくことは可能でしょうか.?お待ちしております!!!! (2023年2月27日 14時) (レス) @page11 id: f0d1cce51f (このIDを非表示/違反報告)
Aster.(プロフ) - マッチさん» マッチさん!コメントありがとうございます〜〜こんなにも長いものを読んでくださりありがとうございます泣スローペースですがどうかお付き合いください……! (2022年5月18日 1時) (レス) id: d4ff684ae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Aster. | 作成日時:2019年7月11日 22時