2話 ページ3
「……兵長!起きてください」
俺は目を覚ますと
そこは調査兵団が滞在する
トロスト区本部だった。
どうやら夢を見ていたようだ。
目の前には
本物のAがいた。
背が俺より高くて
茶色い髪をしている。
髪は短く
目は黒い。
「やっと起きたね」
俺は立ち上がり
近くをウロウロと歩いてみた。
「…ったく起こしやがって。
クソ女は早く寝てろ。
疲れてるんだろ?」
「ベ、別に。疲れてないけどさ」
Aは何かを考えながら
暗い顔をしていた。
「どうした?
巨人どもに食われた人間を
思い出したのか?」
Aは首を振って
否定していた。
その浮かない顔は
どこか不安そうで
悲しげだった。
「いいえ、少し気になってしまって」
俺はこの部屋から出て
外に出てみた。
キラキラと光る太陽が
眩しくて目を細めたくなった。
俺が地下街から地上に出た時を
思い出したけれど
もうそれ以上は思い出したくねえな。
「で、何が気になるんだ?
あの本か?」
「本?
なんの話ですか?
私が一番気になっているのは
あの大きな巨人の後ろについていた
あの太陽のマークですよ」
どういうことだ?
確か俺はあの時
巨人の中に残っていた本を拾って
持って帰った気がするのだが……。
そうか……
てめえには教えてなかったな。
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