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僕のことを ページ8
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「なんで来てくれなかったの?」
「…なん、で、って」
「ふふ、冗談。…お葬式の次の日に、約束通り来るわけないよね」
くすくすと笑うその声も笑顔もあの日から全く変わっていなくて、唯一違うのは…その身体が、透けていることだけ。
「毎年待ってたの。…すっごい遅刻だよ、真冬くん」
「…ご、めん、」
「今年は来てくれたけど…本当の約束の時間より遅れて来たし、私に気が付かずに歩いてっちゃうし。…このヒール、歩くの大変なのに」
「っ…、似合ってる、すごく」
「うん。…ありがとう」
僕たち以外に誰もいないその公園の赤いレンガは、いつの間にか降り出した雪に覆われて、まるでここだけ違う世界みたいで。…夢を、見ているようで。
それでも____時計は動いた。
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作者名:らぱん( ・×・ ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...
作成日時:2019年12月24日 4時