木の葉と手助けと飴玉と ページ8
「つ、つかれた……!」
ベンチに座って溜息をつく。
横にはお礼として貰ったお米やお菓子達が積まれている。
それを横目でちらりと見てまた溜息をつく。
すっかり忘れていたのだ、オビトは困った人ホイホイだということを。
行く先々で出会ってしまうのだ。
両手に重そうな荷物を持ったお婆ちゃんだったり
迷子になった子供が泣きついてきたり、あたふたしてる様を見てオビトは
オビトはだから言っただろうと呆れていた。
「人助けは嫌いじゃないからいいんだけど……こんなにいつも助けてたのか、オビト。そら遅刻しちまう。早く出たって間に合わなくなるよな………」
俺、遅刻とかして怒られたくないんだけど……これどうにか避けられないかな。
『俺単体だとまず無理だと思った方が良い。対処法としては影分身を2、3体用意することだ。』
そうか、影分身か。その手があった…!
「今度から影分身用意して出かけよう。そうしよう。」
『まず今の時代の俺がその術を使えるかどうかだけどな』
「………あっ俺今子供か!!」
『でけぇ声出すな!』
そう言われ立ち上がってしまっていたことに気付き、ぺちりと音を立てて片手で口を塞ぎ、ゆっくり元の場所へ座り直す。
目だけで周りを索敵し、誰も周りに居らず、聞かれ無かったことが分かると俺はやっと手を離す。
俺と同時にオビトは深い溜息を吐き、呟くように昔の俺を見ているようだと言った。
本物のオビトにそう言ってもらえて光栄です!!!!!
※決して褒められたわけじゃありません
矢張り、と言うべきか。
あの後人気のない道を選んでみても吸い寄せられるように人に出会ってしまい、やっとこ家についた頃には予定の時間よりも大幅に遅れ、外はもう暗くなっていた。
玄関を開けてただいまと声を張るも返事はない、そういえばと部屋の明かりをつけそこで頭に一つの疑問が浮かんだ。
俺の記憶上ではまだオビトの祖母は生きているはず。
オビトに聞こうとするとそれが分かっていたかのように祖母は二週間前に亡くなったと言った。
ここも原作と違くなっているのかと少し困惑したが俺という名のイレギュラーが入ってきてしまったのだ、少しの違いくらいあるだろうと納得する。
あとで墓参り行かないとな…と考えた所で丁度お腹が鳴り、思い出したかの様に貰った食材達を仕舞ってから夕餉の準備に取り掛かることにした。
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作者名:二千。 | 作成日時:2020年11月20日 21時