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7月、最後の夏の大会
丸亀シニアは順調に勝ち進んで準決勝。
相手は御幸君のいる江戸川シニアだ。
先攻丸亀シニア、高校江戸川シニアで
試合は8回まで両者無得点だったが、
最終回、
味方のエラーでランナー2塁、
相手のバッターは御幸君。
そして私の投げたボールは御幸君に外野まで運ばれ、
サヨナラで負けてしまった・・・。
シニアの最後の試合が終わって一か月がたった。
野球は引退すると決めていたのに、
普段からしていたランニングやトレーニングはなぜか続けていた。
今日も6時30分に目が覚めてランニングをした。
A「あーー・・・。全国行けなかったなぁ・・・。悔しい・・・」
私はランニングを終えて一人で河川敷で横になっていた。
A「まさか御幸君に打たれるなんて・・・。配球を読まれてたな・・・。あーーーーー。もっと試合したい!!」
私の頭の中には
「もっと野球がやりたい」
ずっとその言葉だけがぐるぐるとめぐっている。
「ねえ、一緒に野球しない?」
私の視界の中に急に眼鏡をかけた男の子が入ってきた。
A「み、御幸君!?」
御幸「朝早くからご苦労だな」
御幸君は私の隣に座った。
A「・・・・・試合ぶりだね。なんで決勝で負けたの?私に勝ったくせに・・・」
御幸「悪かったな。松方シニアの2年生ピッチャー、ノーマークで最後まで攻略できなかったんだよ」
A「確かにあの子いいピッチングしてたね。まぁ、過ぎたことをどうこう言ってもしょうがないよね」
御幸「そうだな。野球は最後まで何があるかわからない。だから面白いんだよ。七瀬も、まだ不完全燃焼だろ?」
A「・・・・・・・・・うん」
御幸「来週、青道の練習見に行くんだけど、どう?」
A「・・・・・・・・・・・行く」
御幸「よし!じゃあ土曜日、駅に9時集合だからな」
御幸君はニヤッと笑って立ち上がった。
A「べ、別に野球やりたいとかじゃなくって・・・そ、そう!!クリス先輩に会いたいだけ!それだけだから!!」
私は御幸君の背中に向かって叫んだ。
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作者名:Sone | 作成日時:2021年1月19日 21時