STORY 17 ページ17
＊
数日後、町では女が次々と捕らえられて“魔女狩り将軍”の元へと連れてこられた。
「ホプキンスさん、例の魔女の子供は連れてこなくていいんですか？」
先程連行された女が拷問されているのを椅子に座って眺めているマシューにメアリーが問う。
「その必要はない。それに煙たがられているのは女のほうだけだからな。クラウディアとは逆にスティーブは町の人々から親しまれている。手を出したら厄介だ。マーロンは……まだ十歳だ。子供は標的にしないほうがいい」
「よくお考えですね」
「この仕事を続けるためだ。私から“魔女狩り将軍”を取れば何が残る。情のある素振りも見せねば信頼されまい。正義のためなら致し方のないことなのだと。スティーブは簡単に騙せた。マーロンは私を……」
マーロンは……。
「……あの日からもう三年か。大きくなったな」
「ホプキンスさん？」
「何でもない。気にするな」
特に話すこともなく、二人は暫しの間黙り込む。
「悪魔と契りを交わしただろう！ 白状しやがれ！」
ジョンの怒鳴り声と鞭打たれて泣き叫ぶ容疑者の声に部屋の隅で怯える女達を無感情に見つめるマシューの横顔を見てメアリーが再び口を開く。
「顔色が優れないようですが、どこか悪いのですか？」
「え？」
予想外の質問にマシューはメアリーを見上げる。クラウディアと同い年ぐらいだが着飾れば案外良い女なのだろう、と彼はどうでもいいことを考えて答えた。
「最近眠れないだけだ。夜になるとクラウディアがすぐ横に立って……いや、夢だ、夢に決まっている。あの忌々しい魔女はもう倒したのだ」
途中から自身に言い聞かせるように呟き始めたマシューだったがふと自嘲するような笑みを浮かべた。
「“魔女狩り将軍”様がたかが女の亡霊などに怯えるとは。私を呪い殺すだと？ やってみるがいい。所詮くだらない戯言。私は間違ってなどいない！」
彼は椅子を蹴倒して立ち上がり、足早に近づいてジョンの手から鞭を奪うと自ら女を打ち始めた。
「呪えるものなら呪ってみろ！ 憎むがいい！ 私を怨んで死んでいけ！」
「「ホプキンスさん！」」
突如、それまで我を忘れたように鞭を振るっていたマシューが膝をつき、部下二人が慌てて駆け寄った。彼は明らかに体調を崩しており、荒い呼吸を繰り返している。
「絶対この女が何かしたんだ！」
ジョンの言葉に両手を縛られて吊るされた娘は涙を流して『違う』と言いたげに必死に首を横に振る。
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田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» ただでさえ無実の女性を平気で殺しまくってる人ですからね。どこかもう自分でもどうしようもできないほど壊れてるんです。 (2017年6月5日 20時) (
レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 田無苑珠さん» もう色々とアレな人になっちゃってますねミスター・マシュー (2017年6月5日 20時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» 読んでくれてありがとうございます！はい、言いましたw……と、言っても実は恋愛という意味ではなくて、本人もよく分からない感情をマーロンに抱いてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 面白いです！マシュー、……あ、愛してる…って言いました……？ (2017年6月5日 10時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ロイヤルストリートさん» ありがとうございます！好きになってくれて嬉しいです (2017年5月23日 13時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田無苑珠 | 作成日時：2017年5月5日 13時
