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STORY 18 ページ18

マシューはジョンに鞭を手渡すとおぼつかない足取りで離れ、再び椅子に腰かけた。

「悪魔の娘が。聞けば『黒死病』が伝染した町に以前住んでいたらしいじゃないか。あの病もお前の仕業だろう。答えろ!」

 強く打たれた娘は、しかしもう叫びはしなかった。それどころかキッと顔をあげるとジョンを睨みつけて声を発する。

「……たしが悪魔なら……あんたは死神よ……」

「なんだと?」

「罪のない人を拷問して……殺して……あんたこそ死神じゃない……人じゃないのはあんたのほうよっ!」

 乾いた音が響く。それはジョンが娘の頬を張り飛ばした音だった。彼は鞭を捨てると片手で娘の首を絞める。

「小ネズミが。望み通り殺してやるよ」

 見ていた女達が泣き出す。
 見かねたマシューは「やめろジョン」と声をかけた。ここで殺しては意味がない。

「だいたいあんた、『死神』と言われても無理ないよ。飽きずに黒い服ばっかり着て」

「うるせえな。お前の服装よりマシだろ」

「なんだって?」

 また始まった。マシューは呆れ果てて首を振る。

「もういい。ジョン、その娘を独房へ入れておけ。殺すなよ。怪我を負わせるのも駄目だ」

 ジョンは不満げな表情を浮かべるが、黙って拘束を解くと乱暴に彼女の腕を掴んで連れて行った。

「あの娘……ロザリア・オルコットはかなり厄介だな。反抗的だ」

「ジョンがうっかり殺しそうではらはらしますよ。あの男、どうしようもなく短気だから」

 人のこと言えないと思う、とはあえて口に出さないでおいた。

「ロザリアは一人で暮らしているのか?」

「ええ」

「それなら安心だな。親族が騒ぐ心配もないから魔女として殺せる。今回のことであの娘を殺したくてたまらなくなりそうだから出来ればジョンに任せたいんだがな」

「そういえばジョン、遅いですね」

 マシューとメアリーは思わずジョンが去った方向を見る。

「呼んできましょうか?」

「フッ……いや、いい。殺したり怪我を負わせたりしなければ『何をしてもいい』からな。精神がやられるほど陵辱されても自白せぬなら大したものだ」

「なかなかえげつないことを思いつきますね」

「……失礼。女性の前で言うべきことではなかったな」

「いいえ、あなたのそれにはもう慣れてますので。それよりどうします?」

 メアリーは拷問待ちの女達を指差す。

「牢に入れておけ。明日、水による審判を行う。沈めば無罪、浮かべば魔女確定だ」

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田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» ただでさえ無実の女性を平気で殺しまくってる人ですからね。どこかもう自分でもどうしようもできないほど壊れてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 田無苑珠さん» もう色々とアレな人になっちゃってますねミスター・マシュー (2017年6月5日 20時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» 読んでくれてありがとうございます!はい、言いましたw……と、言っても実は恋愛という意味ではなくて、本人もよく分からない感情をマーロンに抱いてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 面白いです!マシュー、……あ、愛してる…って言いました……? (2017年6月5日 10時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ロイヤルストリートさん» ありがとうございます!好きになってくれて嬉しいです (2017年5月23日 13時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田無苑珠 | 作成日時:2017年5月5日 13時

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