9話 ページ9
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「ふふふ、戻ってくると思ったぞ」
『………。』
戸を開けて堂々と部屋の中へ入っていく舞狐。
部屋の奥には彼女を待ちわびていたように座る
このテングタケ城の殿。
『………最初に話を聞いた時から違和感を感じていました。このテングタケ城の忍者隊は決して強くはない。いくら忍者の卵であろうとも彼らが捕えられるような敵ではない。』
「……。」
『最初は新しく忍者を雇ったのかと思いましたが、
私に向けて残した言葉を聞いて分かりました。』
『私は忍者隊の中でも隠されながら育てられた存在。私の存在を知るのは、殿である貴方とその父、
そして、氷雨家の人間だけ。
父がいない今、私を知るのは貴方か、私の…、
兄しかいないのです。』
そう言って天井を見上げる舞狐。
「………流石、僕の妹だ。」
声とともに降りてきたのは、
舞狐と同じ紺色の髪の毛を持つ、黒い狐のお面を手に持った青年だった。
「やぁ、A、久しぶり」
『えぇ、お久しぶりです、兄上。』
「なんだよ〜、10年前のようにお兄ちゃんと呼んでもいいんだぞ?」
ニコニコと笑いながらAに近づく青年、
基、Aの兄である氷雨 順平。
「ふふふ、まぁ、家族水入らずで話したいだろうが
それはまた別の機会にしてくれ、」
順「それもそうですね。今回の依頼は、
……氷雨 Aの暗殺。でしたからね。」
スッと黒い狐のお面を被った順平は、
懐から取り出した苦無を胸の前で構えた。
『私も、貴方には沢山聞きたいことがあります。
……この戦い、私が勝たせていただきます。』
舞狐が苦無を構えたのを合図に、2人は動き出した
城内には、2つの金属のぶつかり合う音が響いた。
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小桜(プロフ) - とても面白かったです! 心が震えるようなストーリーで、何度もわくわくしながら読みました。この後、夢主ちゃんはどうなったのか……とても気になるところです! 最高の作品をありがとうございました! (2022年5月4日 17時) (レス) @page18 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
Ashlee(プロフ) - これ続きがとても気になります。主さんが書く気があるのならば、親の真相を見つけて学園に帰ってくるみたいなのを書いてほしいです (2022年4月24日 20時) (レス) @page17 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い太陽 | 作成日時:2019年9月8日 18時