〇29 ページ17
.
『那須先輩……』
今まで隠されてきた那須先輩の気持ちが
この話を得てようやく露になった気がした。
かすみさんという那須先輩達の幼なじみの方が
とっても素敵な人だったんだろう…って
悔しいほど伝わってくる。
どうして那須先輩と距離を感じたのか、
なんで、数日間学校を休んでいたのか、
今、こうして話をしてくれているのか、
これ全部、私のため…？
『那須先輩、』
｢ん？｣
『どうして、その話を私に？』
｢え、今ので分からなかった？｣
私のためかという綺麗事を考えたけど
よく良く考えれば、
かすみさんの事を大事に思う話には代わりになかったから、
ただの私の勘違いかも。
『いや……やっぱり考えられません』
｢なんで伝わらないんだろ笑｣
『だって、私の勘違いになりますもん！』
｢もう、じゃあこっち来て｣
那須先輩は横並びに座る体を私に向けて、片手を広げる。
『……え？』
｢ほら｣
その言葉と同時に、
私の腕を優しく引っ張られ、那須先輩の腕の中に入った。
『那須先輩!?』
驚く私もを、全部ギュッと包み込んだ。
｢よく聞いて？｣
『……はい』
｢俺はAちゃんが好きだよ｣
那須先輩からの告白は息が出来なくなるほどだった。
｢目が離せなくなるほど、大事にしたい｣
耳元から聞こえる優しいその声に
私は幸せな気分が高まっていく。
『那須先輩、』
｢ん？｣
『私は……那須先輩と出会えて幸せです』
｢大袈裟だよ笑｣
『私も、那須先輩が好きです！大好きです！』
大好きな気持ちを込めて、
那須先輩へと強く抱き締め返した。
｢いって、痛いよ笑、強すぎだから笑｣
『あぁ、ごめんなさい！笑』
自然に体が離れて
那須先輩の顔を見ると
こんな顔、今までの私に見せたことないくらいの
幸せな笑顔を浮かべていた。
｢好きだよ、明日も明後日も｣
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ホワイトチョコ | 作成日時：2022年6月20日 21時
