Episode.178 ページ36
「それと聞いて!さっき本部に言ったら凄い騒ぎになってて」
「A、戻ったのか」
Aはその声に話しを一度中断した。リゾットにバッチを見せると、お前ならやれると信じていたと言って頭を撫でてくる。イルーゾォもそうだけど、もうちょっと扱いをグレードアップさせてくれてもいいんじゃないか。まるで子供扱いだ。
リゾットは話しがあるから全員集合するようにと伝えて階段を降りていった。その話しが何についてであるのかAは分かってしまった。というか、それ以外にないだろうと。
「急ぎみたいだし行こうか」
「ああ。で、さっきの話しの続きは」
「すぐ分かるよ」
「あ"ぁ!?俺は今聞きてェから聞いてんだろうがッ!!」
話しを逸らすように、前の試験管が死んじゃったから新しい体制になったんだってと言う。すると前の試験管を知っているのか、ざまぁみろと笑っていた。そんなに酷かったのだろうか。
リビングにはリゾットを除く全員が揃っていた。まだみんなにはバッチを見せていなかったことを思い出し、空いているリゾットの席に腰を下ろして足組みをする。イメージはリゾット。
「何やってんの、A」
「……まさかそれリゾットの真似か?クオリティ低過ぎるというか足組んでるだけじゃねぇか!」
メローネとホルマジオの声など聞こえない。今のAには最後の隠し球があるのだから。みんなこれを見たら驚くに決まっている。
「これを見なさい」
スっと机の上に金色のそれを置く。すると、全員が目を見開いてバッチを見た。交互にAに視線を移してペッシはわなわなと震え、全員驚いてることが見て取れる。そんな中、ソルベとジェラートがまず口を開いた。
「「ギアッチョの?」」
「なんで!!!違うから!私のだよ!!」
どうしてそうなる!普通に考えて自分の物だろう。じゃなきゃこんなドヤ顔で見せびらかしたりしないし、そもそもギアッチョがそんなくだらないことに協力してくれるわけがない。
「すげぇじゃねぇか、A。だが、いつの間に試験なんてやってたんだ?」
「受けたのは今日。でも、準備は少し前から。私のことだし凄い悲惨な試験かもしれないと思って」
「なるほど、篭っていた原因はそれか」
プロシュートはチームの中でもかなりのベテラン、褒められると素直に嬉しい。イルーゾォも納得してくれたようだ。
(A、何をしているんだ?)
(みんなにバッチ見せてた)
(あとお前の残念な真似もな)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ!お互いお疲れ様です!いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした!!番外編楽しみにしていますね!!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください<(_ _)> (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!途中から見始めましたが本当に面白かったです!番外編楽しみにしてます! (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まどろみ | 作成日時:2019年2月23日 20時