Episode.177 ページ35
ブチャラティ達を見送ってから数日後。それはつまり、Aの突然の辞める発言から数日後ということだ。ギアッチョは全くもって気が気がじゃなかった。まさか本当に辞める気なのか、と。確かに辞めてしまえとは思ったし、事実言ったが、それは例えるなら｢学校の先生が『もう帰れ』と言って、泣いてる生徒が『帰りません』｣というような、そういうアレだ。そういう感じだろう、あの流れは。
｢クソッ！！簡単に辞めるとか言いやがって！何なんだァあの女はよォ〜ッ！？！｣
ガンガン部屋のソファを蹴る。物に当たってもすっきりすることはなく、むしろ壊れないことにイライラがなお募る。クソッと吐き捨てて、一番気になっていることを聞けずにいる自分に更に腹が立った。
＿＿アイツまさか、別れるとか言わねェだろうな
｢ッチ！ムカつくぜェッ！！クソッ！｣
そんなこと言った日には、とりあえずキレる。確かに、色々と立て続けに起きすぎて恋人らしいことはしてやれていないが、手放すつもりは毛頭ない。辞めるにしろ別れるにしろ、そう簡単にこの俺が認めると思ったら大間違いだと床を強く踏みつけた。
Aはここ数日部屋に篭もっている。あの後リゾットに何か話してアジトに戻ったら、それ以来ほとんど部屋から出てこねェときた。何をしているかは知らないが、リゾットに聞いても待ってろというだけ。何を待てって？あいつが決断するのをか？
｢A、中にいんだろッ！｣
Aの部屋をドンドン叩く。しかし返事がなかった。それにまた舌打ちが出て、いっそ壊してやろうかと思う。中にはいるはずなのだ。それなのに何故出てこない。もう一度名前を呼ぼうとした時、
｢ギアッチョー！！｣
｢は！？うッ……！｣
Aの声が後ろからして驚いて振り返ると腹に突撃されてよろけた。急にタックルしてきたのは間違いなくAだ。中にいると思っていたが、どうやら違ったらしい。
｢見てこれ！｣
｢何をだよッ！！てか離れろ、見えね……｣
Aが持っていたのは、金色に輝くバッチ。それは間違いようもなく、パッショーネの一員である証。驚いてAを見ると、凄いでしょうと笑った。……怒りやら喜びやら呆れやらで言葉が出ない。
｢もういい加減、仮メンバーとか正式メンバーじゃないって言われるのムカついたからさ！｣
(ああ)
(クソッ)
(わざとあんな言い方しやがったなコイツ！)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (
レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ！お互いお疲れ様です！いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした！！番外編楽しみにしていますね！！！ (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください＜(_ _)＞ (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！途中から見始めましたが本当に面白かったです！番外編楽しみにしてます！ (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まどろみ | 作成日時：2019年2月23日 20時
