Episode.165 ページ23
「君のチームの人達に、Aに何かあったら許さないと言われたからだ。当然の処置だろう」
そんな事を言われていたのか。まぁ、何も言ってこないわけもないとは思っていたが。でも、GPSってそれは、つまりずっと位置を把握されていたということか。それで、Aの心拍に異常があったからそれを頼りに探し出して、一命を取り留めたと。
「ボスの仲間にまさか少年がいたとは、さすがに想定外だった」
「……今は、何日」
あれからどれくらい経ったんだろう。時間の感覚は完全に狂っている。空条承太郎は少し言い淀んで、今日の日付を告げた。それに、思わず起き上がって立ち上がろうとするが、お腹の痛みや圧迫感に止まってしまう。そして、ゆっくりとベッドに寝かされた。
「焦るな。君は一度心臓が止まったりもしたんだぞ。そんな急に動いて言い訳がないだろう」
「でも、あれからもうすぐ、二週間経つって、ことは」
呼吸が乱れる中、必死に訴えかける。帰してくれと、傷なんかどうでもいいから、早く、早く。それでも空条承太郎は、だめだの一点張り。二週間経っているということは、もうあと一週間と数日もすれば、2ヵ月経つということだ。もう待てない。ジョルノ・ジョバァーナとももう会っているはず。
「君をこのままここに留めて欲しいと言ったのは、君のところのリーダーだ」
「嘘!そんなわけっ……!」
大声を出したら刺された部分が傷んだ。一度心臓が止まったと言っていたくらいだし、本当に危なかったのだろう。そして今も、決して良いとは言い難い状態だ。
「ボスの部下についてはこちらから伝えておく。少年が仲間にいると分かったのは重要な情報だ。それだけでも充分、君は君の仕事を全うしている」
「でも、全然…」
「君をここに置いてくれと言ったのは、ボスに君の存在について知られた恐れがあるからだろう。君がこれ以上、彼らに関わるのは危険だ」
ボスの部下と思われる少年、ドッピオ。彼がもし本当に部下ならば、たしかにAについて知られた可能性は高い。でも、せめて未来を読むくらい、そのくらいしか、自分にできることはないのに。
「未来はどこまでいっても確定しない」
「え?」
「君が何度未来を読んだところで、人は常に、新しい未来を自らの手で獲得する」
空条承太郎が言いたいことは分かる。それでも未来を見れば回避できることがあるのも事実だ。たとえ無駄だとしても、0.1でも役に立てるなら、自ら行動すべきじゃないのか。
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ!お互いお疲れ様です!いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした!!番外編楽しみにしていますね!!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください<(_ _)> (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!途中から見始めましたが本当に面白かったです!番外編楽しみにしてます! (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まどろみ | 作成日時:2019年2月23日 20時