Episode.164 ページ22
機械音がする。
ドラマかなにかで聞いたことがあるような、小さくて軽い電子音。それ以外は聞こえない。静かで、何だか眠くなる。でも、何か忘れている気がした。この静けさは、何か違う気がした。
今度は少し騒がしい。
人の声が、いろんな人間の声がする。男も女も入り交じった、焦燥感を掻き立てる声だ。どうしたんだろうと思うのに、身体が動かない。騒がしくて嫌だった。そういえば、もっと騒がしい人を知っているじゃないか。そう思うのに、上手く思い出せない。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿
目が覚めると、どこか暗い部屋で寝かされていた。ピッピッと一定間隔で鳴っている電子音は、病院なんかで聞くそれと似ていた。少し顔を動かすと、心電図が見える。そこでだんだん、今の状況が把握できてきた。そして、何があったのかも。
＿＿ドッピオが、ボスについて知っていた
ボスについては、裏社会のどんな偉い人間も知らなかったというのに。ドッピオというあの少年は、何故それを知ることを許されたのだろう。見た感じ強そうでもなかった。一体彼とボスは、どんな関係なのだろうか。
ドアが開く音がして、そちらを見る。カーテンのせいで誰が入ってきたかは分からない。カーテンが開いて、女の人と目が合った。看護師だろうか、その人は慌てた様子でドアの方へ行くと、何か叫んでいた。すると、ゾロゾロ人が入ってくる。
｢大丈夫ですか。ご自分の名前、言えますか？｣
｢……三枝、A｣
口についてるそれが邪魔だったが、普通に言える。なんなら年齢や今までのことだって言える。医者や看護師は何やら話して、一人の看護師が出ていったのを見送った。他の医者達にライトを向けられたり、痛みはどうだと確認されていると先程の看護師が戻ってきた。その後ろには、空条承太郎がいる。
｢意識ははっきりしているようだな。本当に良かった。君は、何があったか覚えたいるのか？｣
｢刺さ、れた。助けた、男の子に｣
｢……その男の子というのは、誰だ｣
｢たふん……ボスの、部下｣
空条承太郎は目を細めて、そうかと呟いた。それにしても何故自分は生きているんだろう。かなり深くまで刺されたし、心臓と腹の二箇所だ。死んでいて何らおかしくないのに。空条承太郎は医者や看護師に指示を出して、Aが刺された時の状況を話し出した。
｢君に腕時計を渡しただろう。あれには、GPSと心拍モニターがついていた｣
(は？)
(なにそれ)
(聞いてない)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (
レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ！お互いお疲れ様です！いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした！！番外編楽しみにしていますね！！！ (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください＜(_ _)＞ (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！途中から見始めましたが本当に面白かったです！番外編楽しみにしてます！ (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年2月23日 20時
