勝手に突っ走んな!このバカ! ページ45
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「クククッ…」
そんな不気味な笑い声とともに先ほどまで淑女を演じていたジャックザリッパーはドレスを脱ぎ捨てた
「私を捕まえられるかな…?」
ぐいっと口紅を拭った後、ジャックザリッパーはそう言った。何処かに逃げる気なのは分かるが、何と言ってもここは動く鉄の塊。
密室と言っても過言ではない。
かと言って大人と子供では分が悪いのは俺らの方だ。蘭の空手が必要になる事がないようにしたいが…
ボフンッ
!?
突然の大きな音と広がっていく白い煙に、理解が一瞬遅れた
俺も周りにいた諸星君やAたちも恐らく同じような状況だと思う。
ごほごほと咳をしながら何とか窓を開けようとした
「待ちなさいっ!!」
俺が指示を出すより早く蘭がジャックザリッパーのいた方へ走り出すのがチラリと見えた。
おいおい!何で犯人に向かって行くんだよ!!
「待って蘭姉ちゃん!行っちゃだめだ!」
「私止めてくる!!」
俺の制止の声とAの声がほぼ同時だった。
白い煙で視界が奪われている中、無茶苦茶に突っ込んで行ったら唯一大人とそう変わらない身長の蘭たちがゲームオーバーになっちまう
「ぅわっ!」
「A!!」
!?
既に煙で見えなくなっているAの叫び声の後、蘭の声も聞こえた。犯人と接触したのか、ゲームオーバーになったのか。聞こえるのが声だけのこの状況じゃ、何も分からない。
「くそっ諸星君!窓開けて!」
「は?…おっおう!」
ガタンと下に下げるタイプの窓を全開にして煙を外に流す。どんどん部屋の空気が澄んでいく中、違和感が拭えない。
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ルカ - 最後までもう少しです。更新頑張ってください! (2017年7月29日 22時) (レス) id: 71abb433c8 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - part1から見てますやっぱり最高続き見たい (2017年2月22日 18時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
honeymilk(プロフ) - プリンさん» 応援ありがとうございます 最近他の小説やテスト勉強なんかで更新できてませんでした… 頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2016年5月15日 20時) (レス) id: a6f73d98f1 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - 続き書いてください! (2016年5月14日 20時) (レス) id: ce4b07547a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:honeymilk | 作成日時:2016年4月5日 1時