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陸拾漆話 ページ23

あれから何日経ったのだろうか。
陽の光が入らないこの地下で、二人の感覚は麻痺していた。


……が、しかし。
そんな悠久とも思える時間は突如、終わりを迎えた。
地響きのような重たい音が静寂を切り裂く。


その音を聞くなり、Aは安堵の息をつく。


「………なんだ?」


『助けに来てくれたんだよ、義勇』


「なぜ分かる?」


『んー………勘かな?』


閉じ込められても尚、毎日のように笑顔を絶やさなかったAはそう告げる。
義勇はそんな彼女を不思議そうに見つめた。


『どうしたの?』


「いや、どうしてそんなに笑ってられるのかと」


『そりゃあ、安心出来る仲間がいるからだよ。もちろん、義勇もね』


「そうか、俺も――――」


義勇が何かを言おうと口を開いた時、地下室の扉が盛大に開かれる。
そしてすぐさま、その人物は義勇の胸ぐらを掴みかかった。


まぁ、そんな事をするのは鬼殺隊ではただ一人しかいないのだが


「おい、義勇っ! 男のくせに何捕まってんだ!」


「さ、錆兎…? どうした?」


「Aの鎹鴉が教えてくれたんだ!」


冷や汗を垂らす義勇に、錆兎は遠慮なく吠えかかる。
それがどうも可笑しくて、Aは笑いを堪えていた。


錆兎は早急に二人の枷を外しながら、これまでの出来事を話した。


どうやら、Aと義勇が拘束されて、鎹鴉達がその事を御館様と各柱に伝えたらしい。
それを聞きつけた錆兎が、宙の案内のもと駆けつけた、と。


『そう言えば錆兎、ここに来るまでに人と合わなかった?』


「あぁ、それならば大丈夫だ。鎹鴉が教えてくれたから罠には引っかからなかったからな。今頃、連行されているだろう」


その言葉に、Aはやっと安心出来た。
あとで宙にご馳走しなくちゃ、と付け足して

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尊い - 続きが速く見たいです (2022年3月26日 23時) (レス) @page11 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 続きが気になるぅぅぅぅうぅぅう!!!!更新楽しみにしてます! (2022年3月18日 8時) (レス) @page11 id: 04c952a5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わんフル | 作成日時:2022年2月22日 8時

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