陸拾捌話 ページ24
御館様に今回の任務の報告へと向かっている道中、今まで姿を消していた宙が大きく羽ばたく。
「A、西ノ方角ニテ隊士ガ下弦ノ鬼ト戦闘シテイル!援護ニ行ケ!」
『もう夜明けなのに? ……分かった、案内して』
もうそろそろで夜明けの時刻だ。
Aは筋肉の落ちた体に鞭を入れて走り出す。
『宙、少しでもいいから現状を教えて』
「相手八下弦ノ壱ダ、現在二名ノ隊士ガ交戦中! シカシ、既二満身創痍ダ」
『……………ッ!?』
その言葉でふと、脳裏に浮かんだのは不死川実弥だった。
確か、彼は兄弟子の粂野匡近と一緒に姑獲鳥と戦闘したはず。
『宙ッ、全力で走るから捕まっててッ!』
上手く回らない足に力を入れ、呼吸を使い駆ける。
その速度は過去一だったのかもしれない、視界が濁流のように混ざり流れ、上下左右感覚が麻痺していく。
これ以上、実弥を苦しませない為に、仲間を失わせない為に、Aは地を空を駆ける。
「夜明ケマデ、残リ十分!」
『間に合って見せるよ! 絶対!』
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尊い - 続きが速く見たいです (2022年3月26日 23時) (レス) @page11 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 続きが気になるぅぅぅぅうぅぅう!!!!更新楽しみにしてます! (2022年3月18日 8時) (レス) @page11 id: 04c952a5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わんフル | 作成日時:2022年2月22日 8時