レンタル彼氏の、悟さん【五条悟】

story 16 ページ18

＊



生々しい音が部屋中に響き、恥ずかしさのあまり耳を塞ぎたくなるけど悟さんの手が私の腕を掴んでいてそれを許さない。





口開けて。
そう言われたままにゆっくりと口を開くと、体温の温かさを持つぬるっとしたものが侵入してくる。





息ができなくて苦しくて、それを知らせようと声をあげようとするけど、それすらも許してはくれない。





唇を離すたびに吐息が漏れ、
すぐにまた合わさる。




お互いの唇が離れた時

すかさず空気を吸い込んでいると、はっと我に返った様子の悟さんがごめんと何度も謝ってきた。






五「ほんとにごめん！
Aちゃんを前にするとちょっと余裕がなくて」



「え？それってどういう」



五「…そろそろ僕は帰ろうかな」






時計を見ると、針は0時30分をさしていた。
契約時間は日付が変わるまで。
少しオーバーしてしまったことに気づき今度は私が謝る番だった。





次に会う予定を立てる時、あんなことをした後でも悟さんは変わらず平然とした態度のままだった。



そんな悟さんをみてやっぱり慣れてるんだと再確認する。


触れ合えたことに対しては嬉しいけど…胸が痛い。
複雑な感情に包まれる。





考えれば考えるほど自分じゃどうしようも出来なくて…
もう今日は何も考えずに寝ることにしよう。
悟さんと別れたあとすぐにベッドに横になり、





目をつぶった直後にそのまま意識が遠のいていった。

story 17→←story 15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す