私は上司が嫌いではない 【沖田総悟】

ホンネ(貴方side) ページ4

幼児化事件の後。
急にそいつは私の側にいるようになった。
最初はふざけてるだけだと思った。
けど、そいつの目は何かに怯えてるような目で
嫌な何かがもわもわと湧き出てきそうで
つい、イライラしていた。
それを察知したのかそいつは
来る回数が減った。

そいつが風邪をひいた。
お見舞いにはいかない。
どうせ治ったらまた来るんだろうし。
ほら、やっぱり。
熱もちゃんと下がってないのに。
どうして、私の側に来るんだろう？
どうして、私の側に居たがるんだろう。
とにかく、顔を合わせたくなくて
無視をしていた。
熱が上がったのか苦しそうなそいつを
布団に寝かせて
仕事を再開した。

目覚めたそいつは
またあの目をしていて
もわもわを抑えるために
外に出た。
その後そいつも出てきた。
さっきよりも顔を赤くして
苦しそうに息をして
私の名前を呼ぶ。
その声には
私が好きと言う感情がしっかりとのっていて
それにこたえたかった。
私も好きと伝えたかった。
でも、そいつは倒れた。
ゼェゼェと苦しそうに息をしながら。
それでも
私の名前を呼ぼうと
Aって。
そこで、やっと理解した。
そいつは…いや、彼は。
そばに居て、私はいなくならないって
自分に暗示をかけていたんだ。
ずっと
大切な誰かがいなくなる恐怖と
戦っていたんだね。
君は、私が好き？
私は…総悟が大好きだよ。
いつもは伝えれてないけども。
ずっとそばに居るよ。
ごめんね。一人にしてしまって。
ごめんね。ホンネを言えなくて。

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