アタッカー復帰男子【ワールドトリガー】

アタッカー復帰男子8 ページ9

「新型に当たったのは俺たちだけだったのか！？」

「運悪過ぎ……」

帰ってきた風間隊を迎えたのは、勢揃いしたA級。
他の場所では新型は出現せず、佐鳥の言葉を借りるなら「ただの作業ゲー」だったとのこと。

「全員無事だな」

揃ったのを確認して、忍田さんが前に立つ。

「今回はわざわざご苦労だった。諸君のお陰で、大規模侵攻は本当の終わりを迎えた。
これからもボーダーとして、玉狛のために全力を尽くしてくれ」

背筋が自然に伸びる。
上に立つ人の言葉には、やはり不思議な力があるのだなんて思いつつ、任務は終了した。





「しっかし風間隊はホントにお疲れっしたね〜」

へらっとした笑顔で疲れた俺に絡んでくる出水。

「そう思うならなんかおごるなりしてくれよ、出水」

「やだなー俺の財布は万年羽のように軽いんすよ！」

「ふざけんな」

さらっというな。手に入れてる金がどこに消えているのかは敢えて聞かないぞ。

「でも夏だし、A級みんなでお金かからないなんかがしたいっすね」

「あー……それはいいかもな」

そういやもう夏か。トリオン体だと長袖でも暑くないからつい忘れるが、
確かに着替えているこの部屋も冷房ガンガンだ。

「バーベキューとかしたいなー」

「……どさくさにまぎれて食おうとすんな」

ちらちらこっちを見る出水の頭に軽くチョップを食らわせながら、
俺はこの夏の過ごし方に頭を巡らせるのだった。

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