文スト劇場 【パート1】

四月莫迦 ページ37

「今日は四月莫迦(エイプリルフール)じゃから、私がマフィアの皆を騙していくかのう」

ノリノリな姐さんが嘘を吐きます。


〜僕さんの場合〜

「芥川、太宰が呼んで居ったえ」
「え？」
「まぁ、嘘ｚ……」
「一寸出て来ます」


暫く帰って来なかった。種明かしぐらい云わせて欲しかったのう。


〜ひぐっちゃんの場合〜

「樋口、明日世界が終わってしまう様じゃ」
「へぇ、それはそれは……え？」


あーだのうーだの云った後に一言。


「悔いの無い一日を送ります」


勿論、真実は話したえ。犠牲が増えると困るからのう。


〜中也の場合〜

「中也、太宰がこっちに戻って来るらしいのじゃが」
「――……ッ」


光の速さで何処か行った。
戻って来た時には嘘だとバレて居ったのう。


〜首領の場合〜

「首領、エリス嬢が向こうで呼んで居りましたえ」
「……行って来るねぇ」


後から聞いた話じゃが、エリス嬢は逆の方向に居たらしいのじゃ。
恐らくじゃが、態と騙されたのう。


〜？？？の場合〜

「紅葉殿」
「何の用じゃ？広津」
「泉殿を外で見ましたよ」


云われた瞬間、今年一番と思える位全力で走ったのじゃが、見つからんか。
若しかしてじゃが……


「騙したのか、広津」
「えぇ、今日は四月莫迦ですから」


し返しをされたと云う訳か。悔しいのう……
っと、そろそろ二日に為りそうじゃ。


マフィアの四月莫迦は此処までじゃ。最後まで見てくれた其方。
劇場メンバーを代表して礼を云う。ありがとうのう。
楽しんでくれてたら幸いじゃ。それじゃあ、次回もお楽しみに。



〜番外編〜

「国木田さん、今日迄お世話になりました」
「……何が不満だったんだ?!敦」


国木田さんが掴みかかって来ました。
嘘を吐くのが苦しくなったので、真実を伝えます。


「嘘ですよ。四月二日は四月莫迦だと聞きましたので」
「……四月莫迦は昨日だぞ」


太宰さんに騙されたって事……ですよね。
来年仕返しします、絶対に。

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