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びいびい、とかおんぎゃあああ、なんて怪物じみた泣き声…鳴き声？を上げていたスリーピーは、口の中に放り込まれた大粒のブドウによってゴジラから可愛い幼児に戻った。
「クソ、まだ耳が痛え…やっぱり耳栓を買うしかないか」
「ハッターも僕みたいに耳を結んじゃえばいいのに」
「マーチおまえ俺の耳を見たことないのか？ ヒトの耳はそんなに伸びないんだ」
一気にくたびれたハッターの頭(より正確に言うなら耳)をマジマジと見て、マーチは「大変だなあ」とだけ呟いた。
「えーっと…もしかして、スーリってすごく寝起き悪い？」
「見ての通りだ」
「わあお」
「普段はおとなしくて手のかからないガキなんだがな…寝起きだけは…」
「お、お疲れ様…？」
「…ああ」
お母さんって大変なんだなあ。遠い目をするハッターを見て、アリスはそう思った。
ともかく、スリーピーも泣き止んだところで待ちに待った夕食だ。
まだほかほかと湯気を立てるビーフシチューに、焼き色が魅力的なふわふわのパン。彩り豊かなサラダにはさっぱりとしたオレンジ風味のドレッシングが掛けられていて、テーブルの中央にはつやつやの実をつけるブドウが房ごと置かれて、甘い香りを放っている。
「すごい…レストランみたい…！」
目をきらきらさせるアリスにハッターはおかしそうに笑った。
「さっきまで自分も作ってただろ？」
「作ったものは知ってるけど…テーブルに並べたらこんなに豪華に見えるんだなあって、驚いちゃって」
「…おまえ、やっぱり食うに困ってたんじゃないのか…？」
「違うからね！！？」
「アリスさん…」
「マーチやめて、違うからそんなかわいそうな顔してパン追加しないで？」
とんだ冤罪だ。
アリスは慌てて否定したが、おかわりのビーフシチューとパンはありがたく受け取った。
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ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
