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TOWN ページ2
「あれ?臨也じゃないか!珍しいね、君がこんなどう堂々と池袋に顔を出すなんて、何かあったのかい?」
「なんで俺が堂々と池袋に来ると珍しいのさ。俺は池袋っていう街が好きなんだから来ても何もおかしくないだろう?」
曲がりくねった路地へと続く入り口のような道からふらりと姿を現した全身黒づくめの細身の男は安っぽい劇場にいる男優のように大きく手を広げた。
「君が好きなのは池袋じゃなくて"池袋にいる人間達"でしょ?」
緩い笑みをたたえたままの顔を崩さずに答えた新羅に臨也は唇を歪に歪めて笑みを作った。
「まぁ、確かにそうだね。俺は池袋にいる人間達の事が大好きだから、こうやって池袋に来たんだし…」
「で、なんの用かな?私はこれからやる事があるから君に付き合ってる時間はないよ」
話を切ってさっさと晩御飯食べに行こう。
新羅は知っているのだ。
臨也という男に付き合って話を聞いていたら何時間かかるか分かりもしない、という事を。
だが、残念な事にこの男はそう簡単に人を離す人間ではなかった。
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作者名:VALGUS | 作成日時:2016年4月4日 18時