true(左近・現パロ・切) ページ2
「いいよ、付き合おうぜ。俺もAちゃんのこと気になっていたし」
一世一代の告白。それが成功した時の喜びは今でも覚えている、それ程先輩に私は好意を抱いていた。もちろん今もだけれど。
でも左近先輩は違う。今は私以外を想っている、直接言われずとも私はもう気づいているのだ。
先輩の教室に行って話しかけようとした時、その愛しい目は私から見ても美しい先輩へ向いていた。あの先輩は確か卒業された石田先輩とお付き合いされているはずだ。そして、左近先輩は私に気づいた時に下手な作り笑いで「あっ、A!」と慌てて言った。
私はこの時に「最初から私なんか見ていなかったんだ」と悟ったのだ。
それでも好きだから私は先輩と付き合う。左近先輩を縛り付ける私はズルいが、自分の気持ちを騙してまで私と付き合い続ける先輩も同じぐらいズルい。好きでもない後輩といるくらいなら自分でその繋がりを断ち切ればいいのに。でも先輩は優しいから自分で別れを言わずに私の反応を待ち続けているのだろう。
どうか私のことを拒絶して欲しいです、私からは別れを告げることが出来ないので先輩から突き放して下さい。そんな思いが先輩に伝わる日はいずれ来るのか。そう考えた時、寂しさと苦しさで頬には一筋の涙が伝ってしまった。
たとえ別れてもきっと私は先輩を想い続けてしまうだろう。月日が流れてもその笑顔に心が揺れることは容易に想像がつく。
二人きりで遊んだ休日、先輩が言う石田先輩や大谷先輩との出来事で笑い合った屋上での昼食、そんな夢のような日々に今ですら依存しているような私。
いつだったか二人でいた時に言われた「俺は愛してるぜ、A」
あれは嘘ではなかった、そう信じたい。
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某バンドのtrueという楽曲を聴いて書きたくなった作品です(汗
筆が立つ人が羨ましい…私は会話を文に起こすのが苦手なのでこういう感じの作品のテイストになってしまいがちで、遠くから眺めるタイプの話は会話が少ないので逆に書きやすいかもしれません。頑張って主人公ちゃんとキャラの会話を増やせるようにしたいです(反省)
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
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作者名:華燐 | 作成日時:2020年4月22日 22時