73杯目 ページ27
ガタンゴトン、ガタンゴトン
列車に乗るのは初めてだなぁ〜。
久しぶりのお外なのに自由に動けないのは不満だな。
けどしょうがない、森さんに逆らったらまたあそこに連れ戻されちゃう！
「ねぇ、ここいいかな？」
誰だろ、この人？
「お姉さん、他にも席は空いてるよ？」
僕が今いるこの車両には誰もいない。
「・・・駄目かな？」
お姉さんは少し悲しそうな顔をした。
「いいよ！」
お姉さんはありがとうと言って僕の前に座った。
「お姉さんはどこに行くの？」
「この次の次の駅だよ」
「そっか、僕と同じだね！」
お姉さんは笑った。
でもまた悲しそうな顔をした。
「ねぇ、君の右腕見せてもらえる？」
ピクッ
「・・・何で？」
僕は笑顔で答えた。
「そのままだとずっと痛いでしょ？」
「何でわかったの？」
僕は右腕の袖をめくってそれを見せた。
腕に巻かれた包帯の隙間からカッターナイフの刃が所々はみ出している。
あーぁ、これ虎の人に見せるつもりだったのに！
その前にこの人から壊しちゃおうかな☆
スッ
「？？ 何してるのお姉さん？」
気付いたらお姉さんが僕の腕の包帯を解いていた。
「この刃抜いちゃうね」
どこから取り出したのか椅子の上には包帯や消毒液などの治療道具が置かれていた。
ピッ、ピッ、ピッ・・
「お姉さん、僕を傷つけたね？」
お姉さんの首には手型の痣が浮かび上がってた。
「お姉さん異能力って知ってる？
僕のはね、僕を傷つけた人を壊しちゃう異能なんだよ☆ このお人形さんを破ると発動するんだ！」
ピッ、ピッ・・・
「お姉さん、聞いてる・・・？」
「ちょっと、いや、大分染みるから歯ぁ食いしばってね」
お姉さんは消毒液で濡らしたコットンを僕の右腕に置いた。
「っ！！！」
「ごめんね、もうちょっとかかる」
傷口に沿ってゆっくりと撫でるように拭いていく。
「さっきの話だけど・・・」
「知ってたよ。知ってて近づいたの。
君は・・、貴方はこれから敦君達をその異能力を使って壊しに行くんだよね？」
「へぇ、知ってんだ。じゃあ僕を捕まえる？」
お姉さんはゆっくりと首を横に振った。
消毒し終わったのか次は新しい包帯を腕に巻いていく。
「貴方は人が壊れるのを楽しんでいるけど、それは自分を守るため。そうしないと壊れてしまうのは貴方の方だから」
「・・・何でお姉さんにそんな事がわかるの？」
お姉さんは包帯を巻き終えると僕の顔を見上げて言った。
「私も似たようなもんだから」
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チョコミント - 面白いです！ (9月18日 19時) (
レス) id: d1016c78dc (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - 名無しのインティライミさん» わぁああありがとうございます！ 合格できるよう頑張ります！！ (2019年1月17日 19時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのインティライミ - 受験頑張ってください！応援します！いつまでも待っているので、無事合格するのを願っていますよ！！ (2019年1月17日 6時) (レス) id: 24c67caab3 (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - ヨルさん» キャー(≧∇≦) ありがとうございます！ 頑張ります！！ (2019年1月12日 1時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 受験頑張ってください！来年でも再来年でも何時でも待ってます！ (2019年1月12日 1時) (レス) id: dd4205d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Wiyu | 作成日時：2018年9月23日 2時
