酒場のマスターはトリッパー II

49杯目 ページ1

今日は一般客しか来なかった。

(そろそろ店仕舞いにするか・・・)

そう思った時、ドアが開く音がした。

「いらっしゃい、あっ」

「こんばんは」

そこには常連さんが立っていた。

一般客の中でも頻繁に通ってくれている。

青い短髪に黄色い瞳が目立つイケメン男性だ。

今更だが、私にとっての一般客ってのは文ストキャラ以外の人

要はモブ様達のことだ←失礼

「今日は何色にしますか？」

「・・・青、かな」

かしこまりました、と言って私はカクテルを作り始める。

青かぁ・・・

何か悲しいことでもあったのかな？

彼はいつもお酒の色を注文してくる。

ちょっとおしゃれな感じがするのは私だけかな？

(いや、誰に聞いてんだっつーの)

私は一般客の中でも彼の事を結構気に入っている。

常連さんてのも理由だけど、この人はいつも物騒な情報を提供しない。

え、じゃあいつもの情報はどんなだって？

まぁ言って大したものじゃあないんだけどね。

殺人やら密売やら取引やら拉致やらなんやらの危ない仕事の内容だったり、会社とかのヤバイ噂だったりとか、その程度のもんだけどね？

(程度とは一体・・・)

私としては楽しいよ？

だってさ、相手の弱みを握っててそれを振りかざす様はとても爽快だと思うんだよ！(ていう妄想)

「お待たせしました」

そんなクソ発言を心の中で呟いている間にカクテルが完成していた←

(凄いな私、とうとう何も考えずに作れるようになったか・・・)

最後までクソみたいなことしか考えていない今日この頃。

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